【呪詛とは?】5分で分かる意味や語源、呪詛返しの方法も併せて解説
こんにちは、管理人の凛です。
「呪詛」は「じゅそ」と読み、「呪」も「詛」も「のろう」という意味です。呪詛は古文書等にも見られ、相手の不幸を願う儀式や呪文の事ですが、今回はその本来の意味をご紹介します。また、呪詛を受けた時の対策「呪詛返し」についても解説いたします。
「呪詛」の意味は漢字を分解すると見えてくる
「呪詛」は「呪」と「詛」という同義語を重ねた言葉です。「呪」は祭祀を行う人が願い事を唱えている様子を表しています。「詛」は祭壇に向かって誓いの言葉を読み上げる事です。
「呪詛」に必要なものは「呪文」
「祝」と「呪」は似ている漢字です。「祝」と「呪」に共通する「兄」は、頭に冠を被った祭司を意味します。ですが、「祝」の祭司は神に向かって祈っているのに対し、「呪」の祭司は呪文を唱えています。
昔から人々は幸福や善は神が与えてくれるものだとわかっていたのでしょう。人々の幸福を神に祈り、頂いた幸を喜んでお礼を言うのが「祝」です。
一方、他人の不幸を願う場合は、神様に願うのは後ろめたかったのか、祭司は神に向かって祈願はせず、「呪いの言葉」を唱えていたようです。
「呪詛」では捧げ物をして取引の「誓い」をする
「詛」は、祭壇に向かって誓いの言葉述べている様子を表しています。他人を不幸にする神に捧げ物をして、「もし願いを叶えてくれたら、必ず〇〇します」という誓いの言葉を述べているのでしょう。
「呪詛」は呪文と捧げ物、そして成功報酬が必要な悪の神との取引
このように、漢字の語源から分かるのは、「呪詛」に必要なのは「呪文」と「お供物」。そして、「もし、自分の願いを聞き届けてくれたら、必ず〇〇します」と成功報酬を約束する誓いが特徴です。
こんな取引をするのは、神様というより悪魔でしょう。呪詛は黒魔術と極めて近いものと言えます。
呪詛は本来プロが行うもの
「呪詛」の語の成り立ちから、もう1つ大事な事が読み取れます。呪咀の「呪」には祭司を表す「兄」が使用されています。
祭司は宗教的な儀式を司るプロフェッショナルです。呪詛は特別な場所で行い、秘密の呪文や、特別な供物を必要とする、本来、プロが行う儀式なのです。
このように、呪詛を語源から紐解くと、限りなく黒魔術に近く、素人が気軽に出来るものではない事がお分かりになるでしょう。
呪詛は発覚したら死罪になる事も
古来、歴史書等に見られる呪詛は、クライアントが高いお金を払ってプロの呪術師(陰陽師や僧侶等)に依頼していたと言われます。多くは、政治的な目的で行われていましたので、発覚した場合には呪術師はもちろん、呪詛を依頼した人にも重い罪が課せられました。「延喜式」という日本で初めての体系的な法律に、「蠱毒(こどく)」は死罪か流罪と定められています。天神様として有名な菅原道真も、呪詛を行なったという冤罪で流罪に処せられました。
現代の日本では呪詛する事自体は罪に問われないでしょうが、例えば、釘を打ち付けた藁人形を相手に送り付け、「呪詛を依頼した」等と相手に知らせたら「脅迫罪」として罪に問われるでしょう。
諸外国の中には、現在も呪詛を行なったとして罪に問われる国もあります。アフリカのある国では、呪いを掛けたコートを親族に贈ったとして逮捕された例もあるそうです。実際、そのコートを着た人は相次いで亡くなったそうですから、相当強い呪いのパワーが宿っていたのでしょう。
何れにせよ、古今東西、呪詛は非合法的で、公然と行ってはいけないものなのは確かです。
呪詛に欠かせないプロの存在
日本でも、明治時代以降に近現代的な法律が整備される以前には、時の政府は何度も呪詛を禁止するお触れを出していたそうです。これは、いくら禁止しても呪詛を行う人が絶えなかった証拠です。
呪詛はプロが特別な呪文や供物を用いて成功報酬を約束して悪の神に相手の不幸を願う方法ですが、まずプロがいなくては始まりません。
呪詛を実行するプロは陰陽師や密教僧
日本の場合、呪詛を行えるプロの呪術師といえば、伝統的には陰陽師や密教僧でした。ですが、彼らも表立っては呪詛を受け付けるとは言いません。有力な政治家やお金持ちからの依頼を秘密厳守で引き受けるのです。
僧侶が呪術を?と思うかもしれませんが、呪術を行う僧侶の考え方は、「呪う相手=悪業を背負った人」と解釈し、その悪業を一刻も早く断ち切るには死んで輪廻転生するしかない」というもの。その為に護摩を焚き、依頼された相手に死をもたらす呪文(マントラ)を唱えるのです。
呪詛を行えるプロになるには、陰陽師や密教僧でも、厳しい修行を積んで師匠から秘法を授けられた人だけです。また、現代では非合法的な呪詛を行う事は伝統的な宗教者にとってはタブーなので、呪詛を引き受ける陰陽師や僧侶はまずいないでしょう。
プロの減少から呪詛は「行」が中心になり「呪い」「まじない」が主流に
ですが、呪いの需要が減ったわけではないので、庶民は「拝み屋」と言われる民間の呪術者に頼っていました。また、呪いといえば「丑の時参り」と言われるほど有名ですが、「丑の時参り」はプロの手を借りずに本人が行う呪いです。
プロの数が少なく、依頼するにしても高額なお礼が必要だった為、江戸時代以降は自分で行う呪い、または願掛けが主流になってきたようです。素人が行うので、呪文や難しい儀式よりも、厳しい「行」が重視されたのでしょう。また、理解出来ない文字や図形を描く「まじない」は陰陽道の名残です。このような「お札」を大切にする文化も江戸時代以降だそうです。
これらの素人でも出来る呪いは「呪詛」ではありません。一定の効果はありますが、人を死に至らしめるような強力な効果があるのは「呪詛」だけです。
現代では呪術の代行業者が存在します。彼らは伝統的な呪術というよりは外国で修行したり、独自の霊的能力で呪術を習得しているようです。訳あって、本格的に「呪詛」を依頼したい場合や、後述しますが、「呪詛されているようなので、呪詛返しを依頼したい」場合は、躊躇なくプロに依頼しましょう。
もしも呪詛されている事に気づいたら
数少ない本物の霊能者に呪詛を依頼出来る人はそうそういません。呪詛には、「供物」と「成功報酬」が必要ですが、それらはなかなか入手が難しく、プロでも揃えるのは困難な物ばかりです。また、成功報酬は、呪詛対象者以外の誰かの命である場合もあります。
つまり呪詛依頼者は、相当な金銭的な負担と犯罪と隣り合わせのリスクを負っています。それだけに、本気度はきわめて高いと言えるでしょう。
ですから、貴方が呪詛の対象になっている場合、プロの助けを借りずに呪詛から身を守るのは難しいでしょう。
呪詛されている人の初期症状は居眠り
なんとなく気分が落ち込んでいる、ふと気づくといつも居眠りをしている……。これが呪詛されている人の初期症状です。要するに、その人の生気を徐々に奪い取っていくのが呪詛のオーソドックスな方法なのです。
体力がどんどん落ちて、抵抗力がなくなり、結果的に普段なら平気な風邪や胃腸炎が原因で命を落としてしまいます。
あるいは、ふらふらと生気なく歩いていて事故に巻き込まれて死んでしまう、というような場合もあるでしょう。
呪詛されているかも?呪詛を受けている人の共通点!
なんとなく気分が落ち込んでいる、ふと気づくといつも居眠りをしている、という症状に気づいたら、もしかしたら誰かに呪詛されているかもしれません。
そんな時には以下の点に自分が当てはまらないかチェックしてみて下さい。
最近大きな金額の相続があった
もっとも多いのは相続を巡る呪詛の依頼と言われます。依頼者は呪詛が成功すれば必ず金銭的に潤うので報酬額に糸目をつけません。例えば、親が亡くなった、子供のいない叔父叔母の相続人になっていて相続した不動産がある場合、貴方が亡くなったら特をする人がいないか考えてみましょう。
配偶者との仲が冷え切っている
次に多いのがこのケースです。大半は妻側からの依頼なので、金額的にあまりムリができない場合が多いのですが、女性は時に思い切った事をします。夫の保険金で報酬を払う場合もあり得ます。
会社での次の人事で昇進できそう
昇進といっても、係長や課長くらいの人は心配しなくて大丈夫です。役員クラス以上の人事に関係がある人、特に親族会社で身内にライバルがいる場合は要注意です。
ご近所等と土地の境界線等を巡る争いがある
ごく稀にですが、このようなケースでは自分の命を報酬にしてまで呪詛を依頼する人もいます。そのような場合は、何代にも渡って争議が続いていて、先祖の霊まで呼び出して呪詛を行なっています。恐ろしい話ですが、呪詛の末に、依頼者本人まで不可解な死を遂げます。
呪詛返しはプロに!
恐ろしい事ですが、もし呪詛されている可能性が濃厚なら、貴方もプロに依頼して呪詛返しをしてもらうしかありません。
呪詛返しは霊能者同士の闘い
『源氏物語』には、病気がなかなか治らない人の枕元で密教僧が加持祈祷をすると、物の怪が現れて口々に呪いの言葉を吐く、という場面が生々しく描かれています。物の怪とは、陰陽師が呪術で使う式神と同類の霊的な存在です。
この場合も、物の怪を操って呪詛を仕掛けているプロが先方にいます。あまりにも怨念が強いと、生き霊になって本人が取り憑く場合もありますが、多くの場合は密かに陰陽師や密教僧に依頼をして呪詛をしていたのです。
昨今は呪術代行業等の霊能者に依頼しているケースが多いでしょうが、今も昔も最終的には霊能者同士の霊的エネルギーの闘いになります。勝つのは、もちろんエネルギーが強い方です。相手が送ってくる陰の力に対抗出来る陽の気をこちらの霊能者が発揮出来れば打ち勝つ事が出来るでしょう。
呪詛返しに勝つ秘訣は?
霊能力者の実力を見極めて優れた霊能力者に依頼するのはもちろんですが、呪詛返しに勝つ方法として昔から言い伝えられている方法をいくつか紹介しましょう。
- 鏡を呪詛されている人の枕元に置く:鏡は相手の呪いのエネルギーを跳ね返してくれます。しかし、夜間は鏡に魔物が集まりやすいと言われているので、布をかけるか裏返しにしておきます
- 水晶を呪詛されている人に身につけさせる:小さなものでも構いません。水晶は浄化パワーが最も強い石です
- 焼塩を少しずつ摂る:焼塩は天然塩を炭火焼いて作ります。少量ずつ舐めるか、水に溶かして飲んで下さい。量はほんの僅かで構いません
- 呪詛されている人の身内、あるいは恋人等が精進潔斎する:呪詛されている人の事を一番心配している人が、身を清め、呪詛返しの間、毎日写経などの勤行、好きな食べ物を断つ等の精進をします
- 呪詛されている人の寝ている敷布団の下に紙で切った人形を置き、毎日それを取り替えて自宅近くの川に流しに行く:呪詛の陰のパワーを人形に吸い取らせて流し去る方法です
最終的には、本人の生命力と運に頼る事になる呪詛返しです。くれぐれも人に恨まれるような行いは慎みたいものです。相続トラブルなどが予想されるなら、穏便に済ませる工夫を法律や税務の専門家と相談して恨みを買わないように気をつけましょう。
人を呪わば穴二つ
昔から「人を呪わば穴二つ」と言われます。これは、人を呪おうと思うなら、まず墓穴を二つ掘らねばならない、という意味だそうです。呪詛を依頼した人は、例え呪詛が成功して相手が手痛いダメージを負ったとしても、自分も何らかの天罰を受ける可能性を想定した方がよいでしょう。呪術代行業者に報酬を支払ったとしても、人の道に反した想いや行いは、いつの日か自分に返ってくるに違いないのです。「人を呪わば穴二つ」という言葉は戒めとして覚えておきたいものです。
まとめ
現代に呪詛等ないと思うかもしれませんが、大国の政治家や財閥も密かに霊能者の力を借りて世界を動かしているとまことしやかに囁かれています。呪術代行業が繁盛している現状からも、いつ自分が呪詛を受ける立場になるとも限りません。日頃の行いを正すと同時に、呪詛についての正しい知識を身につけておく事も大切です。