【守護神とは?】存在意味や世界各国の守護神の名前・種類をご紹介★
こんにちは、管理人の凛です。
世界各国には様々な種類の守護神がおり、国、民族、寺院、個人などを守っています。
今回はそんなありがたい守護神について、存在する意味や名前・種類をご紹介します。それぞれ興味深い特徴を持っているので、お気に入りの守護神を見つけてみて下さいね。
厄災から人々を守るのが守護神
厄災に悩まされてきた人間や国家、民族を守る為に存在しているのが守護神です。
守護神は人間を超えたものであり、信仰・崇拝の対象であることは他の神様と同じですが、これに加えて国・民族・寺院・個人などを守るという大切な使命を持っています。
例えば、インドにはローカパーラと呼ばれる8人の神様がいて、それぞれが世界の八方位を守護していると考えられています。
このように世界各国に、それぞれの役割を持った守護神がいます。
日本の神道における守護神
日本特有の信仰、神道における守護神を紹介します。
産土神(うぶすながみ)
産土神(うぶすながみ)とは生まれた土地の神様で、その土地に生まれた人を一生涯守ってくれます。産土(うぶすな)とも呼ばれ、もしもお引越しして他の土地に住むようになっても、生涯に渡って守護してくれる神様です。ちなみに産土神の神社を「産土神社」と呼びます。
鎮守神(ちんじゅがみ)
国や村などの特定の地域や、城や寺院などの建造物を守護する神様です。中国の伽羅神が起源と考えられています。鎮守神を祀る社は鎮守社と呼ばれます。
新しい建物を建てた時に、その土地の神様が建物に悪さをしないように、より強い神様が祀られるようになったのが始まりです。
四至神(みやのめぐりのかみ)
三重県伊勢市にある伊勢神宮豊受大神宮・伊勢神宮皇大神宮を守る祭神です。神域(宮域)の四方の境界を守護しています。
日本の仏教における守護神
仏法や仏教徒を守護してくれる神様を護法善神、護法神などと呼びます。
バラモン教やヒンドゥー教の神様達が名前を変えて仏教に取り入れられ、仏法を守護してくれると考えられるようになりました。
最初は帝釈天と梵天だけでしたが、次第に他の神様も加わり下記のような大所帯となっていきました。
護法神のなかでも、「八部衆」「二十八部衆」といったように分類されています。
【八部衆:仏法を守護する8つの種族】
- 天(てん):梵天などの「天部」の神様
- 龍(りゅう):竜王の種族の総称
- 夜叉(やしゃ):空中飛行するインドの鬼神の総称
- 乾闥婆(けんだつば):香を食べるとされる音楽神
- 阿修羅(あしゅら):古代インドの戦闘神
- 迦楼羅(かるら):竜を食べる獰猛な鳥の神様
- 緊那羅(きんなら):半人半獣の音楽神で歌声が美しい
- 摩睺羅伽(まごらか):体は人間で首は蛇の音楽神
【二十八部衆:千手観音を信仰する人を守護する28の神様】
- 密迹金剛力士(みっしゃくこんごうりきし)
- 那羅延堅固王(ならえんけんごおう)
- 東方天(とうほうてん)
- 毘楼勒叉天(びるろくしゃてん)
- 毘楼博叉天(びるばくしゃてん)
- 毘沙門天(びしゃもんてん)
- 梵天(ぼんてん)
- 帝釈天(たいしゃくてん)
- 畢婆迦羅王(ひばからおう)
- 五部浄居天(ごぶじょうごてん)
- 沙羯羅王(しゃがらおう)
- 阿修羅王(あしゅらおう)
- 乾闥婆王(けんだつばおう)
- 迦楼羅王(かるらおう)
- 緊那羅王(きんならおう)
- 摩睺羅伽王(まごらがおう)
- 金大王(こんだいおう、)
- 満仙王(まんせんおう、)
- 金毘羅王(こんぴらおう)
- 満善車王(まんぜんしゃおう、)
- 金色孔雀王(こんじきくじゃくおう)
- 大弁功徳天(だいべんくどくてん)
- 神母天(じんもてん)
- 散脂大将(さんしたいしょう、)
- 難陀龍王(なんだりゅうおう)
- 摩醯首羅王(まけいしゅらおう)
- 婆藪仙人(ばすせんにん)
- 摩和羅女(まわらにょ)
【八大竜王:法華経に登場し仏法を守護する龍族の八王】
- 難陀(なんだ)
- 跋難陀(うぱなんだ)
- 娑伽羅(しゃがら)
- 和修吉(わしゅきつ)
- 徳叉迦(とくしゃか)
- 阿那婆達多(あなばだった)
- 摩那斯(まなし)
- 優鉢羅(うはつら)
【十二天:仏教を守護する12の天尊】
- 帝釈天(たいしゃくてん)
- 火天(かてん)
- 閻魔天(えんまてん)
- 羅刹天(らせつてん)
- 水天(すいてん)
- 風天(ふうてん)
- 毘沙門天(びしゃもんてん)
- 伊舎那天(いざなてん)
- 梵天(ぼんてん)
- 地天(じてん)
- 日天(にってん)
- 月天(がってん)
【四天王:帝釈天に仕え、八分鬼衆を支配し、仏法を守護する】
- 持国天:東方を護る守護神 唐代の武将風の姿で表される
- 増長天:南方を護る守護神 唐代の武将風の姿で表される
- 広目天:西方を護る守護神 唐代の武将風の姿で表される
- 多聞天:北方を護る守護神 唐代の武将風の姿で表される
【十二神将:薬師如来を信仰する者を守護する武神】
- 宮毘羅大将(くぴら)
- 伐折羅大将(ばさら)
- 迷企羅大将(めきら)
- 安底羅大将(あんちら)
- 頞儞羅大将(あにら)
- 珊底羅大将(さんちら)
- 因達羅大将(いんだら)
- 波夷羅大将(はいら)
- 摩虎羅大将(まこら)
- 真達羅大将(しんだら)
- 招杜羅大将(しょうとら)
- 毘羯羅大将(びから)
【三十番神:国土を1ヶ月30日間交代で守護する神様】
- 1日 熱田大明神
- 2日 諏訪大明神
- 3日 広田大明神
- 4日 気比大明神
- 5日 気多大明神
- 6日 鹿嶋大明神
- 7日 北野大明神
- 8日 原の江文大明神
- 9日 貴船大明神
- 10日 伊勢天照皇太神
- 11日 石清水八幡大菩薩
- 12日 賀茂大明神
- 13日 松尾大明神
- 14日 大原野大明神
- 15日 春日大明神
- 16日 平野大明神
- 17日 大比叡大明神
- 18日 小比叡大明神
- 19日 聖眞子(しょうじんし)権現
- 20日 客人(まろうど)大明神
- 21日 八王子権現
- 22日 稲荷大明神
- 23日 住吉大明神
- 24日 祇園大明神
- 25日 赤山(せきざん)大明神
- 26日 建部(たけべ)大明神
- 27日 三上(みかみ)大明神
- 28日 兵主(ひょうす)大明神
- 29日 苗鹿(のうか)大明神
- 30日 吉備津大明神
護法善神を構成する主な守護神
数多く存在する護法善神。そのなかから主な守護神を紹介します。
梵天(ぼんてん)
淫欲、食欲を離れたものの住む色界の一番始めの段階にある初禅天を司ります。
千手観音の二十八部衆にも入っています。
もとはインド神話のブラフマーで、インドラ(帝釈天)などとともに仏教守護神として取り入れられました。
帝釈天(たいしゃくてん)
梵天と並ぶ仏法守護の神。仏教における須弥山(しゅみせん)の頂上にある忉利天(とうりてん)の善見城(ぜんけんじょう)に住み、四天王を従えて人間界を監視しています。
もとはインドの雷神インドラが取り入れられたものです。
大自在天(だいじざいてん)
もとはインドのシヴァ神が仏教に取り入れられて大自在天となりました。
荼枳尼天(だきにてん)
もとはインドの鬼神の一種。日本の仏教では白虎に乗り剣と宝珠を持つ天女として表されます。
摩利支天(まりしてん)
陽炎の神様。護身の神様として武将が信仰する事もありました。
大黒天
インドのシヴァ神の化身であるマハーカーラが仏教に取り入れられ、大黒天となりました。本来は青黒い体に憤怒の相でしたが、日本ではいつしか財福の神として袋を背負ったふくよかな姿として知られるようになりました。
鬼子母神(鬼子母神)
500人の子供を持つ母でしたが、人間の子を捉えて食べていた為、人間から恐れられていました。見兼ねたお釈迦様が末っ子を隠してしまったことから彼女は改心し、子供と安産の守り神となりました。
吉祥天(吉祥天)
インドのラクシュミーが仏教に取り入れらて吉祥天となりました。日本では五穀豊穣の神と崇められています。
弁財天(弁財天)
もとはインドのサラスバティーが仏教に取り入れられて弁財天となりました。
歓喜天(歓喜天)
インドのガネーシャを起源とする為、像頭人身の像として表されます。
中国の守護神
中国の守護神といえば、四方を司る神獣「四神」が有名ですが、その他にも守護神はいます。
四神
古代中国の神獣で、五帝のいる中間地帯の東西南北をそれぞれ守護しています。
- 青龍:東方を守護 顔には長い髭があり、体は蛇、首は麒麟、尾は鯉、指が5本
- 朱雀:南方を守護 鳳凰のような姿で表されます。
- 白虎:西方を守護 獰猛な虎の姿で表されます。
- 玄武:北方を守護 蛇が巻き付いた足の長い亀の姿で表されます。
媽祖(まそ)
媽祖(まそ)は中国南方の沿海部や台湾を中心に信仰される航海の守護神です。親しみをこめて阿媽(あま)と呼ばれる事もあります。
航海の安全を願って海を渡った華僑によって、世界各地に媽祖廟(まそびよう)が建てられています。
関帝(かんてい)
商売繁盛とお金を大切にする中国人にとって大切な商人の守り神です。
古くから商人達の守護神として信仰され、現代では富を招く福の神として祀られています。中華街の関帝廟が有名ですね。
関帝とは後漢末期の武将、関羽のこと。神様ではなかったのですが、兵馬の管理や算術に長けていた事と、正義感が強く義理堅く勇敢であったことから商人達に崇められ、神格化されました。
中国では会社や商店に関帝の立像が良く置かれていますよ。
インドの守護神
インドの守護神としてローカパーラが挙げられます。ローカパーラは「世界を守るもの」「世界の守護者」という意味で、インドの守護神の総称です。仏教の十二天の原型ともされています。
- ローカパーラ
- [東] 雷神インドラ
- [南東]火神アグニ
- [南] 冥界神ヤマ
- [南西]太陽神スーリヤ
- [西] 水神ヴァルナ
- 「北西」風神ヴァーユ
- 「北」 財宝神クベーラ
- 「北東」月神チャンドラ(月天)/神酒ソーマ
8神それぞれの特徴をみてみましょう。
雷神インドラ(東を守護)
インド神話における雷神であり、バラモン教の中心的な神様です。
雷を象徴する武器ヴァシュラを餅、暴風神マルト神群を配下とし、人々を苦しめる魔神ヴリトラと戦ってくれます。仏教においては、帝釈天とされる神様です。
火神アグニ(南東を守護)
インド神話における火神であり、起源はアーリア人の拝火信仰ともいわれる古い神様です。
太陽、稲妻、祭火、怒りの火、思想の火、霊感の火、など、あらゆる火を司ります。その姿は、赤色の体に2つの顔、七枚の舌、七本の腕、3本の足を持つとされています。仏教では火天とされる神様です。
冥界神ヤマ(南を守護)
インド神話における冥界神で、インド・イラン共通時代からの古い神様です。ヤマと妹のヤミーとの間に最初の人類が生まれたとされています。
インドでは、生前に良い行いをした人は死後ヤマの国に行くとされました。
しかし後になるとヤマは冥界を支配し、死者を裁いて地獄に落とす恐ろしい神となっていきました。その姿は青い肌で水牛に乗り、手には死者の霊魂を縛る捕縄を持っています。仏教では閻魔天とされる神様です。
太陽神スーリヤ(南西を守護)
インド神話における太陽神です。
太陽神の為、全身から高熱を発しており、生まれた時に母親に放り出されたとされます。
7頭の馬がひく戦車に乗って天空を翔け、インドラと並ぶ実力を誇ります。この7頭の馬は7つのチャクラ象徴ともされます。
仏教では日天とされる神様です。
水神ヴァルナ(西を守護)
インド神話における水神です。
もともとは雷神インドラや火神アグニとともに重要な位置にあるとされ、天空、司法、水の属性を持っていましたが、冥界神ヤマに司法神の地位を奪われ、最後に水の神としての地位が残りました。青い肌で白い像に乗る姿が描かれています。
仏教では水天とされる神様です。
風神ヴァーユ(北西を守護)
インド神話における風神です。
赤毛の馬がひく車に乗り、その車には雷神インドラが乗ることもあります。ヴァーユはインドラと結びつきが強く、空界をインドラと共に司ります。
仏教では風天とされる神様です。
財宝神クベーラ(北を守護)
インド神話における富と財宝の神様です。もともとはヤクシャ族の王でしたが、千年の修行がブラフマー神に認められ、神となる事が出来ました。
地下に埋蔵されている財宝の守護神で、シヴァ神と親しく、ヒマラヤの都アラかーに暮らし、多くの半神族を従えて繁栄しました。仏教では毘沙門天とされる神様です。
月神チャンドラ:神酒ソーマ(北東を守護)
インド神話における月の神です。月は神々の酒盃であると考えられていた為、祭祀に用いる神酒ソーマと同一視されています。
ソーマは神々と人間に活力を与え、寿命を延ばすと考えられています。仏教では月天とされる神様です。
タイの守護神
タイの王宮や寺院では、ユニークな神様の像が守護しているのを見かけます。
ヤック
タイでは王宮や寺院、空港にも守護神である大きなヤックの像が刀剣を前に構えて立っています。ヤックは鬼神で、顔は緑色や赤色をベースに緻密な彩色が施されていることが多いようです。
ハヌマーン
猿の姿をした守護神です。タイの寺院でよく見かけられます。猿と言っても極彩色を施されたきらびやかな風貌の猿神です。
ガルダ
ガルダはもともとインドの神話に現れる大きく光を発する神鳥でしたが、タイでは寺院を守る鳥の姿の神様です。胴体は人間ですが、頭部は鷲で、翼や爪を持ち、蛇を退治してくれます。
日本では迦楼羅天として八部衆、二十八部衆に属しています。
キンナラ、キンナリー
キンナラは男性で下半身が馬、キンナリーは女性で下半身が鳥の半人半獣の神様で、寺院を守護しています。
もとはインド神話の音楽の神様で、美しい歌声を持つとされています。
日本では緊那羅として八部衆に属します。
ローマの守護神
地中海一帯を支配した大帝国、古代ローマ。現代でも度々、映画をはじめとした物語の舞台になる古代ローマの守護神を見てみましょう。
ラレース
ラレース(Lares)はラール(Lar)の複数形で、古代ローマにおける家庭の守護神の事です。ローマの家庭内では食事中にラレース像を食卓に置いた事や、家庭の大切な行事の時にラレース像を使用したとされます。
ラレース像は片足でバランスを取る活発な様子の男性で、片手に角杯を高く掲げてします。ローマの家庭ではラレースに穀物や果物を捧げ大切にしました。
ギリシアの守護神
西欧思想史の原点ともいえるギリシア神話を文化として持つギリシア。当然、守護神も神話に関係する神々です。
ヘスティアー
ヘスティアーはギリシア神話に登場する女神です。名前のヘスティアーは「炉、かまど」を意味します。古代ギリシアにおいて炉は家の中心であった事から、ヘスティアーは家庭の守護神とされるようになりました。神話の中で他の神様達が戦う時にも、炉の神様であるヘスティアーは家の炉から離れる事が出来ない為、神話に登場する機会がとても少ないそうです。
ヘラ
ギリシャ神話に登場する女神ですが、ゼウスの妻であり嫉妬深く怖いイメージのある神様として知られています。
しかし、彼女は普段はゼウスを愛する良き妻であり、若さを保つ泉で永遠の美しさを保つ努力もしています。そんな事から、結婚や家庭生活を司る女神とされ、妻の守護神として崇められてもいます。
アテナ
アテナはアテナイ(現代はギリシャの首都のアテネ)の守護神です。海の神ポセイドンと競い、どちらがアテナイの支配者にふさわしいか住民達に決めさせたと伝えられています。
ゼウスの頭から生まれた女神で、知恵と戦争の女神です。
まとめ
家庭を守る守護神から世界を守るとされる守護神まで、世界にはたくさんの守護神がいます。
興味のある守護神が見つかったら、その神様の属する国や宗教について調べてみると面白いですよ。