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【悪魔の辞典】悪魔の階級一覧!序列や役割なども徹底解説

術・悪魔

こんにちは、管理人の凛です。

こんにちは、管理人の凛です。 悪魔の話は、あまりしたくないのですが、おまじないや魔術にかかわる人には不可欠な知識です。

今回は、悪魔についての基礎知識として、悪魔の階級について、序列や役割などをお話しますね。 しかし、うっかり危険なことに手を出してしまわないように…

目次

悪魔の正体は「悪の人格化」

悪魔

一口に「悪魔」と聞いても、イメージする姿は様々でしょう。 そこでまず、悪魔の正体についておさらいしましょう。

この世の悪の説明原理としての「悪魔」

世の中は戦争や災害が絶えません。身の回りでも、不運続きの人がいるでしょう。こんな時、神様はどうしてこんな不幸を放っておくのだろうと思いますよね。

人間は、神様と正反対に位置する「悪」の存在を認めることで、自分たちの身に降りかかる不幸な出来事を受け入れてきました。

それが悪の説明原理としての「悪魔」です。 実際、悪魔が存在するのか、人間が作り上げた虚構なのか、信じるかどうかは自由。ですが、世界中の民間伝承や宗教で「悪魔」の存在が語られていますし、ある悪魔学の説では、「悪魔は空気の中に充満している」と言われるほどです。

悪魔は人格を持っている

悪魔は空気の中に漂っているような実態の曖昧な存在ではなく、時には人間の姿になることも可能な、人格を持つ存在だと言われています。

つまり悪魔というのは「悪が人格化」したものです。 特に一神教では、悪魔には「神の敵対者」として、名前がつけられており、古くからたくさんの悪魔が存在してきています。

世界を階層と階級に分けた偽ディオニュシオスの宇宙論

天使 階級
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの一神教では、天国では天使たちが階級ごとに役割を持って唯一の善である神に仕えていると考えています。 西暦500年頃のシリアの神学者・偽ディオニュシオス・ホ・アレオパギテースは、『ディオニュシオス文書』の中で神の支配する宇宙全体の階層について説明しています。

天使の階層は神に近い順から3つの階層がある

天使たちの階層は神に近い順から以下のように分けられ、それぞれに3つの位階の天使が所属します。

第一階級 熾天使(セラフィム)・智天使(ケルビム)・座天使(スローンズ)
第二階級 主天使(ドミニオンズ)・力天使(プリンシパリティーズ)・能天使(パワーズ)
第三階級 権天使(ヴァーチューズ)・大天使(アークエンジェルズ)・天使(エンジェルズ)

神から一番遠いのは「悪の根源」=サタン

神学者偽ディオニュシオスによると、神に近いところから宇宙の果ての神に最も遠いところまで、宇宙には階層があるそうです。

そして、一番遠いところ…。そこが「悪の根源」が存在するところです。 その「悪の根源」は、2世紀ごろには「サタン」と呼ばれるようになりました

「悪の根源」が「サタン」と呼ばれるようになるまで

堕天使
「悪の根源」は 魔王(The Devil)であり、サタン(Satan)という名前です。 魔王(The Devil)は、配下の悪魔(devils)を従えて地獄に君臨しています。

サタンはもともと、紀元前5-6世紀に成立した『ヨブ記』に登場する神の宮廷の一員の名前でした。彼は「義人ヨブが神に従うのは神がヨブをひいきにするからで、不幸になったら神など信じなくなる」と主張して、神の許しを得たうえで、ヨブに大変な不幸を背負わせます。

この時代の「サタン」は神の許しがなければ人に災難を送ることはできませんでした。

同時代の黙示録文学と言われる書物にはサタンの他にもたくさんの悪魔(ベリアル、アザエル、サタナイル、マステマ、サマエル、セミヤザ)が登場しますが、1世紀以降の新約聖書の時代には、すべての悪魔を支配する悪の大魔王の名前は「サタン」となっていました。

悪の根源=サタン=堕天使ルシファー

ヨハネの黙示録以降、天から堕ちた堕天使とサタンが同一視されるようになりました。2世紀の教父オリゲネスが「堕天使の頭ルシファー=サタン」と宣言し、有名な5世紀の神学者アウグスチヌスもこれを認めました。その結果、 中世後期頃にはサタン=ルシファーであることが通説となりました。

悪魔の階級と序列、役割

サタン
地獄にも階層があり、その順番は下に行くほどサタンに近く、神から最も遠いのがサタンであるという認識は中世には定着していたようです。しかし、その詳しい内容については想像するしかありませんでした。

セバスチャン・ミカエリス神父が悪魔から聞き出した悪魔の階級と序列、役割

セバスチャン・ミカエリス神父は、1612年に『驚嘆すべき物語』を出版しましたが、その本には彼がエクソシストとして悪魔祓いをした修道女のケースが記されていています。

修道女に取り付いていた悪魔はバルベリトという名の悪魔で、ミカエリス神父はバルベリトから悪魔の階級と序列、役割、それぞれが苦手な聖人の名前までを引き出したのです。

天使時代の位階が高いほど悪魔の位階も高い

伝説では、ルシファーとともに数多くの天使が神に背いた結果、地獄に落されて堕天使となりました。悪魔となって彼らは、地獄で階層と位階ごとにその役割を担っているそうです。

地獄の王はサタンです。その下に、サタンに近い者から3階層あり、階層ごとに3つの位階があります。そして、それぞれの悪魔としての役割を果たしています。
その階層や位階は、バルベリトが白状したところによると、天使時代の位階に準じているそうです。 ただし、神ではなく、サタンに近いほうが地獄では位が高い、という点が天使の位階と正反対です。

以下に紹介するのは、魔王(The Devil)に従う配下の悪魔(devils)たちの階級です。 それでは、地獄での位階が高い順から紹介していきましょう。

ベルゼブブ(第一階級)
天使時代の位階 熾天使の君主
誘惑する罪 驕慢
敵対聖人 聖フランチェスコ

ベルゼブブはもともと、旧約聖書時代にカナン地方の人々が崇拝していた「バアル・ゼブル」という異教の神でした。ユダヤ人がそれを「蝿の王」と言い換えたのです。新約聖書中に「悪霊の頭ベルゼブブ」という記述があります。

ジョン・ミルトンの『失楽園』によると、ベルゼブブはサタンに次ぐ地獄のナンバー2の地位があるとされています。

ベルゼブブが誘惑する罪は「驕慢」ですが、ベルゼブブに敵対する聖人の聖フランチェスコは、すべて神からの恵みと考えた謙遜で貧しい生涯を送った人です。

*レビヤタン(第一階級)
天使時代の位階 熾天使の君主
誘惑する罪 不信仰
敵対聖人 聖パウロ

古代ユダヤの伝承では、神が世界を創造したときに、神が戦った恐ろしい海の怪物がレビヤタンとされています。旧約聖書の『ヨブ記』や『イザヤ書』にも大蛇や竜、地獄の入口などと記されています。

レビヤタンの魔法陣を握って彼を人間の姿で呼び出すこともできるということです。16-17世紀には、しばしば人間に憑依して苦しめています。

レビヤタンの誘惑する罪は「不信仰」ですが、聖パウロはもともと、イエスを迫害する立場だったにもかかわらず、回心してからは、燃えるような信仰でキリスト教を伝道した人です。

アスモデウス(第一階級)
天使時代の位階 熾天使の君主
誘惑する罪 貪食・不貞
敵対聖人 洗礼者ヨハネ

古代ペルシアの魔王アーリマンに仕える7大悪魔の一人、アエーシュマがアスモデウスのもとの姿と言われています。アスモデウスは旧約聖書続編の『トビト記』』に登場する好色な悪魔で、人間にしばしば取り憑くことで知られています。

『トビト記』では魚の内蔵を燻した煙で退散しました。1634年にルーダンのウルスラ修道会女子修道院の尼僧に取り憑いたアスモデウスは、悪魔祓いの末、「明日午後5時に尼僧の体から離れる」という「アスモデウスの誓約書」を書いたことで知られています。

アスモデウスに敵対する聖人の洗礼者ヨハネは、イエスの従兄弟で、禁欲と厳しい修行の生活を送ったことで知られています。

バルベリト(第一階級)
天使時代の位階 智天使の君主
誘惑する罪 殺人・冒涜
敵対聖人 聖バルナバ

バルベリトはエクソシストのミカエリス神父に悪魔の位階を教えた悪魔です。

バルベリトという名前は「バアル・ベリト」に由来すると思われます。「バアル・ベリト」はシケム人の神で、ソロモン王の72人の悪魔の一人として「ソロモン王の小さな鍵」という書物に名前が上がっています。

誘惑する罪は、「殺人・冒涜」ですが、敵対聖人の聖バルナバは、別名「慰めの子」と言われるほど情け深く、温和な人であることが知られています。

アスタロト(第一階級)
天使時代の位階 座天使の君主
誘惑する罪 怠惰
敵対聖人 聖バルトロメオ

アスタロトは古代フェニキアの豊穣神に起源を持つ異教の神とされています。

『失楽園』にも名前が挙がっています。すべての秘密を暴くことができる悪魔。誘惑する罪は怠惰ですが、敵対聖人の聖バルトロメオは別名ナタナエルで、イエスによって「真の正しいユダヤ人」と言われています。当時のユダヤ人は律法や礼拝を大切にした謹厳実直な生活を送ることを求められていました。

「真の正しいユダヤ人」とは、そのように勤勉な人であるという意味でしょう。

ウェリネ(第一階級)
天使時代の位階 座天使の2位
誘惑する罪 短気
敵対聖人 聖ドミニコ

ウェリネについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖ドミニコは、素晴らしいお説教をすることで知られた聖人です。

グレシル(第一階級)
天使時代の位階 座天使の3位
誘惑する罪 不浄・不潔
敵対聖人 聖ベルナルドゥス

グレシルについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖ベルナルドゥスは、シトー派修道院を広げた聖人です。

ソネイロン(第一階級)
天使時代の位階 座天使の4位
誘惑する罪 敵への憎悪
敵対聖人 聖ステファノ

ソネイロンについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖ステファノはイエスの死後初めての殉教者で、石打ちの刑にされましたが、抵抗せず、神への賛美を捧げて亡くなりました。

カレアウ(第二階級)
天使時代の位階 能天使の君主
誘惑する罪 頑固
敵対聖人 聖ウィンケンティウス

カレアウについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖ウィンケンティウスはリスボンの守護聖人として知られる人で、5世紀に殉教したと言われています。

カルニウェアン(第二階級)
天使時代の位階 能天使の君主
誘惑する罪 猥褻・厚顔無恥
敵対聖人 福音書記者聖ヨハネ

カルニウェアンについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の福音書記者聖ヨハネは、使徒ヨハネと同一人物とも言われ、イエスに最も近く接して教えを受けた弟子です。

オエイレト(第二階級)
天使時代の位階 主天使の君主
誘惑する罪 贅沢
敵対聖人 聖マルチヌス

オエイレトについて詳しい資料は見当たりません。

敵対聖人の聖マルチヌスは、ツールの司教マルチヌスのことです。マントを切り裂いて凍えている貧しい人に与えたところ、その人は実はキリストだったという伝説で知られています。禁欲と謙遜を重視した生き方によって聖人となりました。

ロシエル(第二階級)
天使時代の位階 主天使の2位
誘惑する罪 恋情
敵対聖人 聖バシリウス

ロシエルについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖バシリウスは4世紀の教父で、隠棲して修道生活を始めたことや、福祉事業を始めたことで知られています。

ウェリエル(第二階級)
天使時代の位階 権天使の君主
誘惑する罪 不従順・肩こり
敵対聖人 聖ベルナルドゥス

ウェリエルについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖ベルナルドゥスは、先出のグレシルの項を参照してください。

ベリアス(第三階級)
天使時代の位階 力天使の君主
誘惑する罪 傲慢・見栄・不貞
敵対聖人 聖フランチェスコ

ベリアスについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖フランチェスコについては、ベルゼブブの項を参照してください。

オリウィエル(第三階級)
天使時代の位階 大天使の君主
誘惑する罪 残酷・無慈悲
敵対聖人 聖ラウレンチウス

オリウィエルについて詳しい資料は見当たりません。
敵対聖人の聖ラウレンチウスは3世紀にローマで殉教した人で、ラウレンチウスとは、「月桂冠を戴いた者」という意味だそうです。

イウウァルト(第三階級)
天使時代の位階 天使の君主
誘惑する罪 情報なし
敵対聖人 情報なし

イウウァルトについて詳しい資料は見当たりません。

ここでは紹介しませんが、これらの悪魔(devils)の下に更に配下の悪魔たちが無数にいます。

17世紀に書かれたセバスチャン・ミカエリス神父の「驚嘆すべき物語」は、悪魔から実際に聞き出したという点で驚くべき著作でした。

悪魔学は2世紀から始まり、5世紀から10世紀の中世には熱心に研究されていたようです。その中で名前のわかっている悪魔もたくさんいます。

悪魔は位階を重んじるが…悪魔と人間の関係は対等

魔女
悪魔と人間の関係でまず思い浮かぶのは魔女です。魔女というのは、悪魔の手先になって人々に害を加える人間(主に女性)です

悪魔の勢力隆盛の裏には社会不安あり

悪名高い魔女狩りは13世紀に始まりました。
完全に収束するのは18世紀で最盛期は16〜17世紀。最盛期の100年間で10万人が処刑されたと言われます。

この時代にそれほど魔女が増えたのは、オスマン・トルコの侵入や、ペストの大流行、宗教改革など、社会的な不安が増大していたせいだと言われています。

人間は不安になると、「悪いことは、他人のせい」、責任転嫁したくなるものです。ですから、どれだけの人が本当の魔女だったのか、疑問ですね。

悪魔との関係はフィフティ・フィフティ

ダンテの『神曲』の主人公ファウストは、メフィストフェレスという悪魔に魂を売って、この世の栄華を極めて欲しいものをすべて手に入れました。しかし、悪魔との契約満了の日に無残な死を遂げます。

これは、あらかじめファウストが悪魔と契約書を交わし、悪魔に便宜を図って貰う代わりに自分の魂を決められた期日に悪魔に渡す約束をした結果なのです。

悪魔は必ず約束を果たすと言われています。そのかわり、代償も必ず渡す必要があります。悪魔との関係はフィフティ・フィフティなのです。

悪魔とかかわるときに注意したいこと

悪魔 儀式
悪魔は必ず約束を果たすと言われています。
ですから、どうしても実現したい願い事があって、それが人間の力ではどうにもならない場合に、悪魔の力を借りたいと思う人もいるようです。

悪魔には圧倒的な力があることを忘れない

人間と悪魔の立場は対等で、人間のほうが下ということはありません。しかし、実力は圧倒的に悪魔のほうが上です。しかも、悪魔は知恵もあり、聡明です。人間よりもはるかに頭が良いのです。
フィフティ・フィフティで交渉できるか、よく考えましょう。

悪魔を呼び出すときには神様や聖人に守ってもらうことを忘れない

いろいろな呼び出し方がありますが、通常、何週間かの精進潔斎が必要ですし、その間、絶えず神様や呼び出す悪魔に敵対する聖人へ祈る必要があります。

自己流はやめておいたほうがよい

自己流で悪魔を呼び出すことはおすすめしません。専門家の助けを借りる場合も、儀式に必要な道具(動物の死体や棺桶の釘など)がかなり特殊であることから、金額も相当かかることを覚悟した方が良いでしょう。

まとめ


悪魔の話をする時は、とても体力を使います。みなさんはどうでしょうか。ここまで読んでみてどんな気持ちがしたでしょうか?

ここまで悪魔の階級が明確になっていると、その存在も信じたくなりますね。
相手を知ることは必要ですが、人間に比べて絶大な力を持つ悪魔とかかわることは、あまりオススメできません。

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