【HSPとエンパス体質】違いの特徴と疲れる人間関係への対処法!!
こんにちは、管理人の凛です。
周囲から「繊細」「神経質」「内向的」と評される事の多いHSPとエンパスは、しばしば混同されがちです。
実際、HSPとエンパスは刺激性などの面は共通していますが、共感性などの面では相違があります。
HSPやエンパスの人はその特異な性質から、疲れや生きづらさを感じやすい傾向にありますが、自分がHSPかエンパスかによって悩みの対処方法が微妙に異なります。
今回は自分がHSPかエンパスか判断がつかない方向けに、HSPとエンパスの違いや、それぞれの悩みの対処方法を紹介します。
HSPとエンパスの共通点はデータ処理の深さや刺激への過敏性
エンパスは広義でHSPに属するため、基本的な特徴が似通っています。
HSPとエンパスの違いをより明確にするために、まずは両者に共通する特徴をチェックしてみましょう。
HSPの提唱者であるエレイン・アーロン博士は、HSPの特徴を「DOES」という4つの項目に区分しています。
データを深く処理する(Depth of processing)
HSPは周囲の刺激に対して敏感に反応する分、常に大量のデータを受信しています。
これらの情報一つひとつを深く処理するため、一度に色々な事をスピーディに処理するのは苦手としています。
外部からの刺激を受けやすい(Overstimulated)
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった五感はもとより、人の感情や雰囲気などから受ける刺激が強い傾向にあります。
どんな事にどれくらい刺激を受けるかには個人差がありますが、短時間に過剰な刺激を受けると疲労やストレスを感じます。
感情的反応性や高度な共感性を持つ(Emotional reactivity and high Empathy)
自分以外の存在に対する共感性が強く、容易に感情移入しやすい特徴を持ちます。
共感の対象は人に限らず、動物や自然、芸術なども該当します。
小さな刺激に対する感受性が強い(Sensitivity to Subtle stimuli)
他の人は気づかないような些細な変化や微細な意図を察知する能力に長けています。
相手に合わせて上手に立ち回れる反面、人に合わせすぎて自分の考えが分からなくなったり、自己肯定感が低くなったりする事があります。
HSPとエンパスの違いは共感性の度合いにあり
HSPの特徴を示すDOESはエンパスにも当てはまりますが、エンパスはさらに「O」と「E」において強い能力が備わっています。
直接的な刺激がなくても影響を受ける
まずOですが、HSPの人は実際に見聞きした物や触れた物、匂いを嗅いだ物、食べた物などに対して鋭敏に反応するのに対し、エンパスの人は直接的な刺激がなくても直感的に人の感情や雰囲気を察知できます。
例えば初対面なのに瞬時にその人の感情や意識を感じ取ったり、人によってはオーラが見えたりする事もあるようです。
また、人に限らず、エネルギーの強い場所に行くと急に元気になる、あるいは逆に体調が悪くなるケースも多く見られます。
そのため、人酔いだけでなく場所酔いする事も多く、環境によって情緒や性格が左右されやすいのもエンパスならではの特徴です。こうした能力を持っているせいか、エンパスの人はHSPの人に比べてスピリチュアルな事に関心を寄せる傾向が強いようです。
共感性が人一倍強く、感情移入しすぎる
エンパスの人はEの共感性がHSPよりもさらに強く、他者と自分の境界線が非常に曖昧です。
例えば友人がある事で悩み、悲しんでいる様子を目の当たりにしたとします。
HSPの人は具体的な話を聞く前から、友人の表情や口調をもとに「悲しい」「辛い」といった感情を察知し、どう対応すべきか頭の中で思案します。
一方、エンパスの人は相手が醸し出す雰囲気やオーラを受信し、無意識のうちに自分の内面と融合させてしまいます。その結果、当人以上に心を揺さぶられて動揺したり、号泣したりする事も少なくありません。
さらに同調が進むと、相手と性格や口調、話し方が似通ってくる事もあり、そうした性質がエンパスの人のスピリチュアルな面を増幅させています。
また、エンパスの同調は精神面だけでなく身体面にも影響を及ぼす事が多々あり、例えば病院に行くと周囲の患者の痛い所、辛い所に共感してしまい、体調不良が悪化する場合があります。
HSPやエンパスの人にお勧めの人間関係対処法
HSPやエンパスの人は身の回りで起こる変化に敏感なので、様々な表情、感情、意識を持つ人達に囲まれていると脳内のデータ処理が追いつかなくなり、パニックに陥ってしまいます。
いたたまれなくなってその場から逃げ出したり、大勢の人がいる所に行くのが怖くて誘いを断ったりする事もあるので、周囲からは「内向的」「人付き合いが悪い」と思われがちです。
そうした不当な評価も重なり、HSPやエンパスの人は他者との付き合いに途方もない疲労を感じるケースが多々あります。
HSPやエンパス体質は生来持ち合わせている気質・性質なので、根本から覆す事はできませんが、人との接し方を見直したり、自分なりのストレス発散方法を見つけたりすれば、人間関係から来る疲れを軽減できます。
ここではHSPやエンパスの人向けに、人間関係に疲れた時の対処法を紹介します。
後半ではHSPとエンパスそれぞれにお勧めの方法を厳選したので、参考にしてみて下さい。
【HSP・エンパス共通】相手との境界線を明確にする
相手の感情や意識の変化に敏感なHSPやエンパスの人は、相手が嫌な気持ちにならないように気を遣ったり、先回りして話を合わせたりします。考えの中心にいるのはいつも自分以外の誰かなので、その都度相手の気持ちや意識に合わせて対応しなければならず、膨大なエネルギーを消費します。
精神面に負担がかかるのはもちろんですが、相手に合わせ過ぎていると自分が何者なのかわからなくなってしまい、自分の存在意義を見失ったり、周囲から「八方美人で何を考えているかわからない人」というレッテルを貼られたりします。
そうならないようにするためには、自分と相手の境界線を意識し、明確にする事が大切です。相手との境界線は目に見える物ではありませんが、自分の周囲にバリアを張っているようなイメージを持つと、他人の感情や意識に引きずられにくくなります。
【HSP・エンパス共通】アサーションで自己主張の方法を身につける
アサーションとは英語で「主張」という意味で、「人は誰しも自分の意見や要求を表明する権利を持つ」という概念のもと、双方が適切な自己主張を行うコミュニケーション方法の一つです。
自分の思い通りにしようと強引に意見を主張したり、逆に相手の意見ばかり尊重して自分の意見を伝えられなかったりすると、どちらか片方の主張が蔑ろにされてしまいます。
アサーションは双方が歩み寄ってそれぞれ自己主張すると同時に、相手の主張も受け止めるという非常に建設的なコミュニケーションで、相手の事ばかり優先してしまうHSPやエンパスの人にうってつけの手段といえます。
具体的な方法としては、
- 「私」を主語にして自分の気持ちや考えを伝える「I(アイ)メッセージ」を使う事
- 相手への共感も見せる事
- 抵抗を感じたらNOと伝える事
などが挙げられます。
HSPやエンパスの人は「共感」のみが突出しており、その他の要素に欠けている事が多いので、IメッセージやNOを言う勇気を意識すると良いでしょう。
【HSP】五感に訴えるストレス発散方法がお勧め
学校や会社などで人疲れしたら、ストレスを貯め込まないよう、その日の内にスッキリ発散させましょう。
リラックス方法やストレス発散方法は人によって異なりますが、HSPの人は五感への刺激に影響を受けやすいので、五感が心地よさを感じる要素を取り入れると良いでしょう。
具体的には、
- 好みのアロマでリラックス
- 好きな音楽を聴く事
- 帰宅したら肌触りの良い衣服に着替える事
などがお勧めです。
また、1日1回、1人になれる空間を作るのもHSPの人にとって大きな癒しとなります。
【エンパス】自然やパワースポットに行くと元気をもらえる
意識しなくても周囲の感情やオーラを内面に取り込んでしまうエンパス体質は厄介な物と思われがちですが、決してデメリットばかりではありません。
負のエネルギーだけでなく、陽のエネルギーも取り込みやすいので、生命力に溢れる自然の中で過ごすと元気や活力をもらえます。特にパワースポットと呼ばれる特別な場所はエンパス体質である程大きな効果が期待できます。
ただ、パワースポットにも様々な種類があるので、合わない場所だと逆に心がざわついたり、体調が悪くなったりする事があります。
その場所が合うか合わないかはエンパスの人なら瞬時に察知できるので、自分と相性の良いパワースポットを見つけておけば、人間関係に疲れた時の癒しの場として活用できるでしょう。
あまりにストレスが大きい職場なら思い切って仕事を変えてみるのもあり
HSPやエンパスの人は環境の変化に敏感なので、居場所が変わったり、周囲にいる人が入れ替わったりすると、それだけでストレスを感じる原因となります。
しかし、現時点で非常に人間関係に悩んでいるのなら、同じ所に留まっているよりも、思い切って職場を変えた方が快方に向かう場合があります。
ただ、ここで注意したいのは、他の人と違って単に職場を変えるだけでは問題が解決しない恐れがある事です。
HSPやエンパス体質以外の人であれば、職場を変える事で相性の良くない上司や同僚と離れられるため、それだけで事態が好転する可能性があります。
一方、HPSやエンパスの人は特定の誰かというより、他者から刺激を受けやすい事が原因なので、例え職場を変えても同じ業種・業態で働くなら根本的な解決は望めません。そのため、人間関係に悩んで職場を変えるのなら、まずは働き方や労働環境そのものを見直しましょう。
まずHSPやエンパスの人は外部からの刺激を受けやすいので、人の出入りが激しい職場は不向きです。
また、1つの情報をじっくり掘り下げて整理する性質があるので、一度に複数の業務をこなす必要がある職種も適さないでしょう。
他にも、飲み会などを強制されたり、社員同士の交流会などを頻繁に開催したりする職場もHSPやエンパスの人にとって苦痛の対象となります。
HSPやエンパスの人に最も理想的な仕事スタイルはフリーランス
HSPやエンパスの人にはどういった職場が適しているのかというと、最も理想的なスタイルはフリーランスとして働く事です。フリーランスなら自分の裁量で仕事量やペース配分を決められますし、働く場所も自宅やレンタルオフィスなど、好きな所を選択できます。
フリーランスとして働ける職種というと、プログラマーやライター、デザイナーなどが挙げられますが、いずれも1つのタスクを深く掘り下げる仕事なので、HSPやエンパスにうってつけです。また、HSPやエンパスの人は感受性が豊かで創造性に長けているので、ライターやデザイナーなどのクリエイティブな仕事は適任です。
フリーランスでは不安が大きいという方は、近年では特定の職場や時間に縛られずに働くテレワークを導入している会社も増えてきたので、選択肢の1つに数えてみても良いでしょう。
まとめ
HSPとエンパスは周囲の変化や刺激に対して過剰に反応してしまうため、人付き合いに疲れたり、人間関係に悩んだりしやすい傾向にあります。
特にエンパスは人一倍共感性が高いので、対面した相手に感情移入し過ぎて自分を押さえ込んでしまう事がままあります。
ストレスが蓄積すると心だけでなく、身体にも悪い影響が及んでしまうので、五感に訴えるリラックス方法を取り入れたり、相手との境界線を明確にしたりして、外部から受ける刺激を軽減しましょう。
HSPやエンパスの人は自分のペースで進められる仕事に適しているので、職場の人間関係に悩んでいるのなら、フリーランスやテレワークといった働き方を選ぶ事も有用な解決手段となります。