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【やさしい仏教入門】無間地獄とは?8つの地獄を徹底解説!

地獄

こんにちは。管理人の凛です。今回は、仏教の無間地獄についてお話しいたします。

仏教には8つの地獄があると言われていますが、その中でももっとも過酷なのが無間地獄です。

無間地獄とはどのような場所なのか、何をした人が無間地獄に落とされるのか等、無間地獄について詳しく理解していきましょう。

目次

無間地獄は絶え間ない苦しみが続く地獄

ドクロ

無間地獄の「無間」は、合間が無い、という意味です。

休む暇もなく苦しみが絶えず続く様子を的確に表しています。

インド語では「阿鼻」と記され、阿鼻地獄と表記される事もあります。

無間地獄について記された書物は沢山ありますが、中でも平安時代の浄土宗の僧侶、源信僧都が書き記した「往生要集」が有名です。

その中の無間地獄の様子について見ていきましょう。

無間地獄へ落ちるまでに2000年かかる

無間地獄行きが決定するとすぐに無間地獄に到着、という訳ではありません。

その人はまず2000年かけて無間地獄に落とされます。

この間誰かに会ったりする事はなく、もちろん休憩もありません。

2000年間一人きりで真っ逆さまに地獄に落ちていきます。この様子を「頭下足上」と言い表します。

どんなに泣き叫んでも誰かが助けてくれるはずもなく、閻魔大王の手下である鬼が叱責してきます。

既に無間地獄に落とされた罪人たちの阿鼻叫喚の声が聞こえてきて、さらに苦しみが増すとも言われています。

想像を絶する無間地獄の様子

無間地獄には無間の火城という城があります。

巨大な鉄の城で、鉄条網で守られ、その周囲には刀で出来た林があります。

さらに鋼で出来た巨大な番犬が城を見張っています。

四方に80の釜があり、1083度の高熱の銅で満たされています。

このように頑丈に無間地獄は守られている為、脱出する事は不可能です。

中には18人の鬼がおり、普通の人間とはかけ離れた外見をしています。

城内には鬼の他にも鉄の蜂や大蛇、虫等おぞましい生き物たちがいるという、想像を絶するような恐ろしい場所です。

無限地獄の苦しみは他の地獄の1000倍

無間地獄で味わう苦しみは、他の地獄に比べて1000倍だと言われています。

無間地獄に落ちた罪人が無間地獄より少しだけましである大焦熱地獄を見るとまるで天国のように思える、とまで記されています。

無間地獄の苦しみは書き表そうとしても到底出来る事ではありません。

本当に無間地獄の苦しみを話したり、聞く事が出来たとしたら、話すだけでも非常に苦しい事であり、その人たちは血を吐いて死んでしまいます。

無間地獄の刑期は数え切れないほどの年数

砂時計

「観仏三昧経」という書物に無間地獄の刑期が記されていますが、それによると「八万四千大劫」とされています。

「劫」は果てしないほどの長い期間の単位の事で、1劫は4億3200万年であるという説もあります。

それが八万四千倍なので、無間地獄の刑期は果てしなく長いという事が分かります。

永遠にも等しい、まさに無限の苦しみを味わい続けなければなりません。

【五逆罪と法謗罪】無間地獄に落ちる罪

このように想像を絶するような苦しみが待ち受けている無間地獄ですが、どのような罪を犯したら無間地獄に落とされる事になるのでしょうか。

「観仏三昧経」「涅槃経」「十往生経」等の書物には、「五逆罪」と「法謗罪」を犯した罪人が無間地獄へ落とされると書かれています。

この五逆罪と法謗罪とはどのようなものなのか、詳しく解説いたします。

【五逆罪】親殺しを始めとする重罪

五逆罪は親を殺した罪の他に、僧侶を殺した罪、仏身に血を流させた罪、僧侶たちの和合を破壊した事の罪があります。

書物によっても五逆罪の内容が変わる事もあります。

五逆罪は、実際に親や僧侶等を殺した時に罪に問われる事はもちろん、心の中で思うだけでも無間地獄に落とされると言われています。

実際には殺人を犯していなかったとしても、心の中で親の事を疎んだり、親が私を産まなければこんなに苦しむ事もなかったのに、と思うだけで無間地獄行きです。

【法謗罪】仏教を謗る罪

法謗罪は、仏教そのものを謗る事への罪です。

仏教を馬鹿にしたり、僧侶の話を軽んじたりする事自体が無間地獄行きの対象です。

仏教の中でもこの法謗罪はもっとも重い罪とされています。

仏の教えを信じずに好き勝手に生きていると、やがて無間地獄に落とされるため、生前に仏教を学び、改心する事が大切だと仏教の多くの書物が伝えています。

仏教における地獄とは転生先の1つ

ブッダ像

そもそも地獄とはどのような場所なのかと言うと、仏教では転生先の一つとされています。

仏教では、魂は輪廻転生を繰り返している、という考え方が根底にあります。

生きる事の苦しみから解放される解脱を目指して、何度でも生まれ変わりを繰り返します。

解脱とは、精神的にも肉体的にも浄化された状態で、この状態になると生まれ変わりの輪廻から解放されて悟りの境地に至る事が出来ます。

生命が終わり、魂が次に生まれ変わる際には、生前の行いによって何に生まれ変わるかが決められます。

人間界の中には地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、さらに天上、つまり天国の合計6つの道があります。

地獄はこの六道の中でももっとも低いポジションです。

この地獄行きが決まった魂は、刑期を終えるまで次に生まれ変わる事が出来ません。

また、仏の教えを聞いて自分を改める事が出来るのは六道の中でも人間だけです。

地獄だけでなく、餓鬼、畜生、修羅の道に生まれ変わった場合も、まだ天国を目指す事は出来ません。

【餓鬼道】鬼に生まれ変わる世界

餓鬼道は、鬼として生まれ変わる世界の事です。

人間としてではなく鬼として生きなければならず、その苦しみは地獄よりは軽いものの、じわじわと精神を蝕んでいくとされています。

【畜生道】動物として生まれ変わる

畜生道は、犬、猫、豚、馬等、4億種類もの動物の中のいずれかに生まれ変わる世界です。

現世で果たすべき使命を果たせなかった者、現世に恨みを持って死んだ者が畜生道に落ちると言われています。

【修羅道】阿修羅に生まれ変わる

修羅道は阿修羅として生まれ変わる世界です。

阿修羅は常に戦い続けなければならず、休む間もなく争い合っている世界です。

地獄のような苦しみはありませんが、戦いの辛さが自分に帰ってくるという場所です。

修羅道は須弥山の北の海の底にある世界だと言われています。

審査を経て地獄に落とされる

人は死ぬと、次の生まれ変わり先を決める裁判にかけられます。

死ぬと、7日目に不動明王の審査があり、14日目に釈迦の審査があり、21日目に文殊菩薩の審査があり、28日目に普賢菩薩の審査があります。この段階で罪の重さを測るはかりに乗せられ、重罪の者は地獄へ、中罪の者は餓鬼道へ、そして軽い者でも畜生道へ落とされる事になります。

35日目に閻魔大王の審査があります。閻魔大王の持っている鏡にその姿を写すと、生前のあらゆる罪が映し出されます。この時閻魔大王に嘘をつくと舌を抜かれてしまいます。しかしこの35日目に、その人に縁のある人たちが供養を行う事で、人間界、天上界に送られる事もあります。

42日目に弥勒菩薩の審査があり、そして49日目に薬師如来の審査を経て転生先が決まります。

最後の薬師如来の裁きを受けると、6つの鳥居が待ち構えており、この鳥居をくぐる事で次の道へと生まれ変わります。

仏教での四十九日というのは、この審査が終わった事を意味しています。

地獄には8つの種類がある

無間地獄の他にも地獄には7種類があります。無間地獄を合わせたら、8つもの地獄があるのだから驚きです。

49日間の審査を経て地獄行きが決定すると、罪の重さからどの地獄に行くのかを決定する裁判に再びかけられます。

ちなみに、地獄行きの基準として、仏教では五戒というものがあります。この五つの戒律を一つでも破ると地獄行きになってしまいます。

五戒とは、生き物を殺さない、嘘をつかない、盗みを働かない、京楽に溺れない、お酒を不必要に飲まない、という5項目です。

【等活地獄】殺生をすると落とされる

殺人

地獄の中でももっとも浅い場所にあるのが等活地獄です。

この等活地獄には、殺生をすると落とされると言われています。

死者同士で戦わされて、骨になるまでその戦いは続きます。

等活地獄の中には糞尿の湖に落とされてその中の虫に体を食われ続ける場所や、雨のように熱い鉄が降ってくる場所、鉄の棒で全身を突かれ続ける場所等があります。

【黒縄地獄】泥棒をすると落とされる

次に浅い場所にあるのが黒縄地獄です。

ここは泥棒をした人が落とされる場所です。

黒縄地獄では、熱い鉄の縄で縛られ、鬼に鉄の棒で叩かれ、さらに熱い鉄の斧で縄目に沿って体を切り裂かれるという場所です。

熱い鉄の山に登らされたり、落ちた先の大釜で煮られるとも言われています。

1000年間この苦しみは続き、体が何度も元に戻ってまた一から同じ苦しみを味あわされます。

【衆合地獄】暴行をはたらくと落とされる

幼い子供に淫らな行いをしたり、妻や夫がいるのに浮気をしたりした者が落とされるのが衆合地獄です。

この衆合地獄には様々なバリエーションがあり、大きな二つの山に挟まれて押しつぶされたり、鉄の臼にすり潰されたり、動物に食べられたり、美女に誘われるがままにその方向に向かうと体を刃物で引き裂かれたり…といった苦しみを味わう事になります。

【叫喚地獄】殺生と泥棒と淫行と飲酒をすると落ちる

叫喚地獄は、殺生、泥棒、淫行、飲酒の全てを行った者が落とされる地獄です。

叫喚地獄には獄卒がおり、おぞましい姿をしています。

猛スピードで走る獄卒に追いかけられ続け、捕まると大鍋に入れられてぐつぐつと煮られます。

そしてその体は骨までしゃぶりつくされ、何度もその繰り返しです。

【大叫喚地獄】殺生と泥棒と淫行と飲酒に加えてさらに嘘をつくと落ちる

舌

殺生、泥棒、淫行、飲酒に加えて嘘をついた者が落ちるのが大叫喚地獄です。

口や舌を何度も熱い鉄の針で突き刺され、さらに舌を抜かれます。

どれだけ舌を抜かれてもまた生えてきて、生えてきたそばからまた舌を抜かれます。

この大叫喚地獄の刑期は8000年で、刑期が終わるまで次の道に生まれ変わる事は出来ません。

【灼熱地獄】仏教以外の教えを説くと落ちる

灼熱地獄は、仏教以外の教えを説いたり、実践したりした人が落ちる地獄です。

世界には様々な宗教がありますが、仏教以外の宗教を信じると皆この灼熱地獄に落とされると言われています。

また、殺生、泥棒、淫行、飲酒、嘘をつくといった行為に加えて、因果の道理を無視する行為をした者も漏れなく灼熱地獄行きです。

灼熱地獄では鉄の棒で全身を叩かれ、突かれ、体の形が原型を留めないほどにされます。

肉団子のようになった体は鍋で炙られ、その苦しみが6000年続きます。

【大焦熱地獄】尼や童女への暴行をすると落ちる

大焦熱地獄は、仏の道を進んでいる尼、または童女への暴行をした者、また五戒である殺生、泥棒、淫行、飲酒、妄言、さらに邪見を行った者が落ちる地獄です。

この地獄に落ちた者は炎で出来た刀で体の皮を剥ぎ取られます。

さらに沸騰している鉄を体に注がれ続けます。

無間地獄よりも一つましな地獄ですが、上記で紹介した6つの地獄と比べて、その苦しみは10倍にもなります。

まとめ

仏教の地獄の中でも、最も苦しみが大きい無間地獄についてご紹介いたしました。

しかし、無間地獄の苦しみは、到底書き記せるものではありません。

想像を絶するような苦しみがそこには待ち構えており、果てしないほどの時間をその地獄で過ごさなければなりません。

無間地獄以外にも、地獄には叫喚地獄や灼熱地獄等、生前の罪に応じた様々な地獄が待ち受けています。

地獄に落ない為には正しい行いをする必要があり、また様々な厳しい戒律を守らなければなりません。一つでも破ってしまうと地獄に落とされてしまいます。

しかし仏教を学び、考えを改める事で救われる道が開けるかもしれません。

基本の五戒を学び、さらに地獄道、餓鬼道、修羅道、畜生道に落ちない為に何が出来るかを考えましょう。

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