【貴船神社】呪いの藁人形や絵馬がある理由と奧宮の効果を解説!
こんにちは、管理人の凛です。
有名な京都のパワースポットである貴船神社は、「水の神様が宿る場所」として神聖で清らかなイメージのある神社ですが、実は少し調べただけで「呪い」「藁人形」「縁切り」等の言葉が出てくる恐ろしい神社でもあるのです。
今回は、貴船神社の歴史やご利益はもちろん、呪いの藁人形や絵馬が生まれた理由、奥宮に隠された秘密等について紹介します。
貴船神社は創建年代の不明な神社
貴船神社は、何年に創建されたのか詳しい数字が分かっていない神社です。
社伝には第18代反正(はんぜい)天皇の御代に、初代天皇である神武天皇の母、「玉依姫(たまよりびめ)」が浪速にある津という土地に現れ、「黄船で進んで、留まった所で水神をお祀りするべき事」や、そうすれば「国が豊かになって、幸運が人々にもたらされる事」等を告げたと記されています。
玉依姫は浪速、淀川、鴨川、貴船川と遡っていき、現在の貴船神社の奥宮(おくのみや)にたどり着きます。その後、人々は水が湧き出している龍穴に社を建て、水神である「高龗神(たかおかみのかみ)」を祀りました。これが、貴船神社の起源とされています。
恋愛関係のご利益があり御朱印集めも楽しめる貴船神社は京都の人気スポット
貴船神社は、京都府京都市にある有名な観光スポットです。叡山電車「貴船口」駅貴船口駅から徒歩30分、少し山を登った所にあり、自然に囲まれ、神聖な雰囲気が漂っています。
恋愛関係のご利益があるとされ、水の神様のいる場所でパワースポットとして人気のある神社ですので、平日の午前中に行っても参拝客の方が沢山訪れています。また、月によってデザインの変わる御朱印を集める為に何度も参拝するという人も少なくないようです。
貴船神社は山の上にある神社で、1月1日~2月28日までの間、積雪のあった日には「雪の氣生根」というライトアップイベントも行われ、雪と自然、由緒ある建築物の美しいコントラストを楽しむ事も出来ます。
水の神様が祀られた神社ならではの「水占い」も有名
神社には色々な種類のおみくじや占いがありますが、貴船神社で有名なのは「水占い」です。
貴船神社の境内に流れる流水は「ご清水」として持ち帰る事が出来るのですが、このご清水に紙を浮かべると結果が浮き出てくる水占いがとても当たると評判です。水の神様のいらっしゃる貴船神社ならではの、少し珍しい占いです。
願望や恋愛等、10種類の項目ごとの占いに加え、紙の中心には大吉や凶等の運勢が浮かび上がってきます。
ちなみにこのご清水は特別な力を宿しているとされていて、不思議な事に一度も枯れた事がないそうです。
貴船神社は絵馬の発祥の地とされている
現在では当たり前のようにどこの神社にも置いてある「絵馬」ですが、この貴船神社が絵馬の発祥の地だといわれています。
絵馬が誕生した経緯には、貴船神社の「祈雨・止雨の社」としての歴史が大きく関係していると考えられています。「祈雨(きう)」とは雨乞いの事。「止雨(しう)」とは長い雨が止む事を祈るという意味です。
昔は雨乞いをする時には黒い馬を、雨を止めたい時には白い馬(または赤い馬)を朝廷が献上していました。この時、生きている馬の代わりに木の板に馬の絵を描いたものを奉納される事もあったそうで、それが現在の絵馬の発祥といわれています。
境内には祈雨の際に用いられた黒い馬、止雨の際に用いられた白い馬の像が飾られています。
貴船神社に呪いの藁人形・絵馬がある理由
恋愛のパワースポットであり、絵馬発祥の地としても知られている貴船神社には、呪いの藁人形や絵馬があるといわれています。これには、「丑の刻参り」という儀式が深く関係しているようです。
貴船神社は丑の刻参り発祥の地でもある
「丑の刻参り」とは、丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に、神社の御神木に自分が恨んでいる・呪いたいと思う相手に見立てた藁人形を釘で打ち込む行為の事です。その典型として、白衣を着て、火のついたろうそくを頭に巻き付けて行うといったイメージが浮かぶ人も多いでしょう。
7日間この行為を続けるとその呪いが成就して相手が命を落とすといわれていますが、その行動を他人に見られてしまうと効果がなくなるそうです。この呪いの風習の発祥の地が、貴船神社であるといわれています。
丑の刻参りは元々祈願成就の為に行われていた
呪いの儀式として知られている丑の刻参りは、元々は祈願成就の為に丑の刻に参拝していた儀式です。貴船神社には、貴船明神が「丑の年、丑の月、丑の日、丑の刻」に降臨した為、その時間に参拝すると願いが叶うとされていて、そこから呪詛の為の儀式に転じていったといわれています。
貴船の丑の刻参りは「宇治の橋姫」伝説や謡曲「鉄輪」を生んだ
「宇治の橋姫」とは、貴船明神に祈りそのお告げ通りに宇治川に21日間浸かり、鬼女となった姫が憎い男と相手の女、その一族を取り殺してしまう縁切りで有名なお話です。
そして「鉄輪」とは、夫の心が他の女に移った事を怒り、貴船神社に参って呪詛した為、生きながら鬼となった妻の話。どちらも嫉妬に狂った恐ろしい女性の話で、貴船神社が関係しています。
現在丑の刻参りは禁止されている
前述の通り、丑の刻参りは午前1時から午前3時ごろに行う行為ですが、現在貴船神社は遅くとも午後8時には閉門するので、その時間帯に境内に入る事は不可能です。今の時代に貴船神社で丑の刻参りを行ってしまうと以下の法律に触れる恐れがあります。
- 不法侵入罪(閉門後の神社に不法に侵入している為)
- 器物破損罪(御神木に五寸釘を打つ為)
- 脅迫罪(相手に呪いを行っていると告げた場合のみ適用)
どれも立派な犯罪です。昭和29年には、実際の逮捕事例もあります。丑の刻参りをした女性が脅迫罪で捕まったのです。
貴船神社の中にある奥宮周辺の木には、現在も藁人形が打ち付けられているのですが、その中にはやけに新しい藁人形もあるようです。法に触れてしまう事を知っているのに、ひっそりと人目を忍んで貴船神社に忍び込み、藁人形を打ち込む人が今もなおいるらしく、どれだけ撤去しても新しい藁人形がなくなる事は無いそうです。
神社の方が藁人形を撤去した際に残った五寸釘の跡はおびただしい数ですが、興味本位で近づく事はやめておきましょう。
貴船神社には呪いの絵馬も存在する
先ほどお話しした通り、貴船神社は絵馬の発祥の地なのですが、藁人形だけではなく、絵馬にも呪いの力があります。実際に参拝した方の人の中にも、貴船神社の絵馬の中で怖い内容のものがあった、と言っている人は沢山います。
今の時代に丑の刻参りをする事は犯罪になってしまいますし、夜に毎日神社に行って藁人形を打ち付ける、という行為はあまりにも恐ろしくて行動に移せないという人が、藁人形の代わりに絵馬に呪いのような内容を書いて置いていくようです。
貴船神社の絵馬の効果が強い事は全国的に有名なので、家内円満や合格祈願等の一般的な絵馬の中に、そういったネガティブな、呪いの意味のある絵馬も沢山紛れているようです。
貴船神社の奥宮のご利益
貴船神社は、
- 本宮
- 結社(中宮)
- 奥宮
という3つの社殿に分かれています。
この3つの社殿の中でも最もご利益があるとされているのが、奥宮です。
奥宮は他の場所とは桁違いのエネルギーを持っている
奥宮は丑の刻参りが行われていた場所でもある事から、他の場所とは全く違うエネルギーを放っています。
昼間でも異質な雰囲気をまとっている奥宮は、夜になると更にその闇のパワーが強力になるようです。霊感の強い方や不思議な力を感じやすい方にとっては体調が優れなくなるほど恐ろしい空間ですから、近くに行く際には十分注意しましょう。
奥宮が他と違う空気をまとっているのは、「元々本宮が鎮座していた場所」であるというのも大きな要因であると考えられます。高龗神(たかおかみのかみ)、闇龗神(くらおかみのかみ)、玉依姫命(たまよりひめのみこと)という3柱の神様が祀られていて、いずれも水を司る神様です。
貴船神社の奥宮には「龍穴」がある
貴船神社奥宮の中にある社殿の真下には「龍穴」があります。これは、「奈良室井」「岡山備前」と並ぶ「日本三大龍穴」の一つに数えられます。
「龍穴」とは、風水や気学の世界で重要な場所であり、「大地のエネルギー(気)が噴出する場所」といわれています。
中でも、貴船神社奥宮の龍穴は神聖なものとされていて、直接的に人の目で見る事すら固く禁じられているのです。地下にあり人の目には触れないにもかかわらず、一切のパワーを逃がすまい、と言わんばかりにさらに盛り土までされています。
本殿修理の際に大工が誤ってノミを龍穴に落とした所、一気に空が曇って辺りは暗くなり、急に突風が起こり、ノミが空中へ吹き上げられたと言う逸話があるほどです。この龍穴の存在こそが、貴船神社の奥宮が強力なパワースポットであるといわれている一番の理由です。
3柱の神様がもたらすご利益
奥宮に祀られている3柱の神様はいずれも水を司る神様ですが、そのご利益は次のように異なります。
【高龗神】
- 運気隆昌
- 縁結び
【闇龗神】
- 祈雨
- 止雨
- 水害除け
- 縁結び
- 商売繁盛
- 豊作
- 舟運
- 酒造
【玉依姫命】
- 子宝
- 海上安全
- 安産
- 農業
- 漁業
- 殖産興業
- 商売繁盛
- 方除け
- 悪病
- 災難除け
奥宮のご利益で一番強い「縁切り」は縁結びと表裏一体
貴船神社奥宮のご利益で最も強力なのは、「縁切り」だと思われがちです。先ほどお話しした丑の刻参りが行われていた場所が奥宮である事から、人との縁を切るご利益があるという事になったそうですが、縁切りと縁結びは常に表裏一体であるといわれています。
悪い縁を断ち切って新しい縁を迎え入れる、そういったご利益が奥宮にはあります。
まとめ
以上、京都の有名なスポットである貴船神社の歴史や、「丑の刻参り」との関係、呪いの絵馬がある理由や奥宮のご利益について等をご紹介しました。貴船神社は、四季折々で色々な景色を見せてくれる美しい神社でもある一方、呪いや憎しみ等の負のオーラを放つ一面も持っている、不思議で神秘的な神社である事がお分かりいただけたかと思います。
良い意味でも悪い意味でも、日本で有数の強力なパワースポットである貴船神社。強力なご利益も期待出来ますが、特に奥宮のエネルギーは異質といえる大きさですから、霊感の強い方や不思議な力を感じやすい方は十分注意しておきましょう。