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【明晰夢とは?】5分で分かる簡単な明晰夢の見方と危険性や見る意味★

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こんにちは、管理人の凛です。

夢を見るのなら、好きな人に会ったり自由に空を飛んだりと、楽しい夢を見たいものですよね。でも、人は普通夢の内容をコントロールする事は出来ません。

しかし、夢だと自覚しながら見る「明晰夢」では、夢の内容をコントロールする事が可能だと言われています。そんな事は信じられないと言う方もいるかもしれませんが、実は、明晰夢は脳科学においても研究が進んでいる領域なのです。
今回は、そんな明晰夢について詳しく解説し、明晰夢を見るのに有効と言われている方法もご紹介します。

目次

明晰夢は夢だと自覚しながら見る夢

明晰夢とは、「生々しい夢」の事ではありません。「夢だと自覚しながら見る夢」の事です。

そのような夢の存在は昔から知られていましたが、その夢に初めて名前を付けたのは、20世紀はじめのオランダの精神科医であり文学者でもあったFrederik van Eedenです。

1968年にCelia Greenがオックスフォード大学のCharles McCreeryとの共同研究『Lucid Dreams』を出版してから、「明晰夢」と言う言葉は学術的に認められるようになりました。

昨今の科学技術の目覚ましい発展で、人間の脳の秘密は少しずつ分かってきています。そして、睡眠中の脳波の測定やMRIなどの画像診断により、脳内での化学的な反応と夢に関する研究もどんどん進んでいるそうです。

明晰夢は「思考している状態の夢」で「普通の夢」とは違う

夢は、通常身体が休み、脳が半覚醒している「レム睡眠」中に見るものと言われています。この時、脳は昼間に経験したおびただしい量の情報を整理し関連付けながら、記憶として脳内の適切な場所に格納していると考えられています。そして、その作業中に見るのが夢なのだそうです。

睡眠中は極めて無防備な状態になるので、脳は完全に休む事はせず、半覚醒状態で危険に備えます。音や嗅覚に反応する部分は覚醒していると言われますが、思考したり論理的な判断を下したりする前頭葉は働いていません。そして、覚醒時にはあまり働いていない脳内の色々な部分は、逆にランダムな活発化を見せるそうです。夢の内容が支離滅裂になる事があるのは、そのせいとも言われています。

ところが、明晰夢を見ている状態では、夢を見ている時には静かなはずの前頭葉が活発に働いている事がわかっています。しかも、集中した思考時に多くなるγ(ガンマ)波が増えているとの事。その為、明晰夢は「思考している状態の夢」と言えるのだそうです。

明晰夢を見ている時の脳内は夢というより覚醒状態に近い

脳の覚醒

明晰夢の研究者を悩ませていたのは、被験者がタイムリーに明晰夢を見ている時に脳波等の測定が出来ない事でした。睡眠から覚めた後の自己申告では、それが明晰夢であったかどうか、判断しかねる事もあるからです。

1975年に、スタンフォード大学の研究者たちが、被験者本人から明晰夢を見ているオンタイムの連絡を受け取る方法を考案しました。
以前から、眼球は他の器官と違い、睡眠の影響を受けない事が分かっていました。そこで被験者に、明晰夢を見ていると気づいたらすぐにある方法で目を動かすように指示したのです。

実験を開始してみると、明晰夢を見始めた被験者が送った眼球のサインを、普通の夢を見ているときのランダムな急速眼球運動(REM)と簡単に区別出来る事が分かりました。それ以来オンタイムで明晰夢の実験が出来るようになり、研究は大いに進みました。

その結果、最近では明晰夢を見ている時の脳内の状態は、意識が覚醒している時と同じくらい活発である事が判明しています。これが科学的に検証された「明晰夢」と「普通の夢」の違いです。

現実と明晰夢を識別するリアリティチェック

覚醒状態に極めて近いと思われる「明晰夢」と、「現実」を区別する方法がリアリティチェックです。
覚醒状態に近いと言っても、明晰夢も「夢」の一種です。「普通の夢」を見ている時、本人は夢の世界を現実と疑わずに夢の世界に巻き込まれており、起きてから、「あれは夢だった」と気づきます。

明晰夢を見ている時も、初め自分は覚醒していると思っています。しかし、何とも言えない奇妙な感覚に「これは夢?それとも現実?」と疑問を持つようになります。

そこで、夢と現実を区別する為のリアリティチェックが行われます。
リアリティチェックとは、夢と現実を区別する自分なりの決まった動作の事で、普段から意識した訓練が必要です。

私達が夢と現実を区別出来るのはどんな時でしょうか?
夢の中では、現実にはありえない事が可能だったりしますね。その「現実ではありえない事」を、現実の日常で何度もトライしてみて、「不可能な現実の感覚」を確認する習慣をつけます。「現実ではありえない事」が予想通り不可能ならば、貴方は覚醒していて、現実を生きている証拠になります。

例えば、壁に手を当ててみましょう。現実であれば、手は壁を通る事なく、手のひらには壁の固い感覚があるだけですよね。しかし、夢の中では手は壁を通り抜けたり、手のひらにクッションを触ったような不思議な感覚が残ったりする事もあるでしょう。

また、立っているところで数回ジャンプしてみます。現実ならある高さに達したら落下して地面に足が着地します。しかし、夢の中ではトランポリンでジャンプしているように高く飛べたり、落ちてくるスピードがゆっくりだったりするかもしれません。

このように、夢の中では現実ではありえない事が起こる事もあるのに対し、現実では予想通りに予想した事が起こります。この「予想通りの感覚」を身体で意識的に確認する事を、リアリティチェックと言うのです。

もし、「これは夢?それとも現実?」と疑問を持つ瞬間が来たら、リアリティチェックを行ってみて下さい。「予想通りの感覚」とは違う不思議な感覚を味わってしまったら、貴方は明晰夢の世界にいると言えるでしょう。

明晰夢をコントロールする機会を得られるかどうかは、落ち着いてリアリティチェックを行えるがどうかが鍵です。その為には、普段からリアリティチェックを習慣にする事が重要と言えます。脳は習慣的な行動を無意識に記憶するようになりますから、習慣づける事で、夢の中でもリアリティチェックを行える確率が高くなるでしょう。

夢という自覚で夢の内容をコントロール出来る

星を掴む少年

見ている夢が明晰夢だと分かったなら、現実では不可能な事も可能になります。つまり、夢という自覚があるからこそ、その内容をコントロール出来るようになるのです。

リアリティチェックで明晰夢を見ている事が判明したら、やりたい事や見たいものなど、何でも好きなものを思い浮かべてみて下さい。その時から、貴方はスキューバダイビングの装備なしで海の底を平気で移動する事も、空を飛んで宇宙にまで行く事も出来るでしょう。

覚醒時に「常識」という鎖に繋がれていた願望は、夢を見ている時には解き放たれます。リアリティチェックによって「夢」と確信する事で、脳は安心して自由でダイナミックな世界を堪能出来るのです。

幽体離脱と明晰夢の違い

もう一つ触れておきたいのは、幽体離脱と明晰夢の違いです。これについては別の記事でも触れるつもりなので、ごく簡単に。
明晰夢は夢ですが、幽体離脱は現実の出来事か、普通の夢、もしかしたら明晰夢である場合もあるでしょう。

幽体離脱している人の多くは、夢を見ているとは思っていません。幽体離脱を、「人間の物質的な部分を残して、エーテル体やアストラル体などの人間の物質以外の部分がさまよっている」と解釈するならば、幽体離脱自体は現実の出来事と言えます。

しかし、幽体離脱を脳内イメージの一種と考える人にとっては、幽体離脱の多くは普通の夢、もしかしたら明晰夢である場合もあるでしょう。

分かりやすい!5分で分かる明晰夢を見る2つの方法

瞑想

研究が進んだとは言え、人間は見たい時に見たいだけ明晰夢を見る事は難しいとされています。明晰夢を見やすくするには、以下の方法を試してみましょう。

瞑想をして脳内にγ波が多くなる状態にする

明晰夢を見ている間、前頭葉にはγ(ガンマ)波が増えているのだそうです。
また、瞑想を習慣にしている修行僧の脳波にはγ波が増えているという研究結果があります。

したがって、明晰夢を見る為に、瞑想してγ波を増加させる事が有効である可能性があります。
簡単に出来る方法とは言えませんが、瞑想を継続する事で、瞑想中に明晰夢を見る事も可能になるかもしれません。

レム睡眠の直後に目覚めるように体内時計を調整する

明晰夢を見る為に、レム睡眠の直後に目覚めるよう体内時計を調整するという方法もあります。

貴方は、「毎晩同じ時刻に目覚めてしまう」という経験をした事があるでしょうか。これは人間の体内時計の仕業と考えられています。人間の脳は習慣化が得意である為、ふとした拍子に続いた事を習慣にしてしまう事があるのだそうです。

これを人為的にプログラムする事で、一番最後のレム睡眠が終わるタイミングで目覚める事が可能です。そうすれば、それが明晰夢かどうかはともかく、夢を覚えている確率が高くなるでしょう。

一番簡単な体内時計の調整方法は以下の通りです。

  1. 目覚まし時計をいつもよりも90分早くセットして早起きを1週間続けます。
  2. 翌週は隔日で90分の早起きをします。身体は早起きモードになっているので、早起きしない日でも起床前90分の脳は覚醒しやすくなっています。

この方法で実験をしたところ、明晰夢を見る確率は格段に上がったそうです。
この方法の秘訣は規則正しく、一定の時間に就寝し、目覚まし通りに起床する事。そして、目覚まし時間に起床したら、眠くても布団に戻らない事です。

もし、目覚ましの時刻よりも早く起きてしまったら、瞑想したり、見てみたい夢をビジュアルに想像してまどろんだりしても構いません。いわゆる二度寝の状態はレム睡眠状態なので、夢を見る確率が高くなります。
この方法は簡単ですが、途中でさぼってしまったら、もう一度初日からやり直す必要があります。

明晰夢を見る事の危険性

明晰夢を見たいと思っている人は、文字通り「寝ても覚めても」明晰夢を見る事に夢中になりがちです。それでも、明晰夢を見る事にはリスクもあります。その危険性についてもお話しておきましょう。

生物にとって、生命の危険を冒してまでも睡眠が必要な意味は何でしょうか。
簡単に言えば、脳には睡眠が必要だからです。脳の睡眠には、単にその活動量を低下させるだけではなく、情報整理の意味もあり、必要な記憶を強化させる為には、不必要な記憶を処分する必要があるとも言われています。
その為、睡眠中は時間をずらしながら、脳のあらゆる部分が活性化したり休んだりしているのだそうです。

そのような自然な睡眠サイクルを、長期間に渡って人為的に変化させる事は好ましくありません。また、特定の脳波を人為的に増やしたり減らしたりする事での健康被害については、研究も検証もない状態です。

特に、脳の発達途上ある子どもは明晰夢の実験をすべきではないでしょう。また、若い世代の方も程々にしたほうが良さそうです。

明晰夢を見る事の意味について

悪夢

明晰夢を見る事には、どんな意味があるのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

悪夢やPTSDの解決に役立つ可能性がある

明晰夢は、繰り返し見る悪夢や、精神状態を悪化させるような夢を見るPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を改善出来る可能性があります。

普段からリアリティチェックを習慣にして、悪夢を見た時に「これは夢だ」と確認を続けられれば、夢の中でのストレスを軽減させる事が期待出来ます。次第に悪夢を見ても恐怖感がなくなり、ついには悪夢を見なくなるとして、明晰夢の研究が役立っているケースもあるようです。

心のリフレッシュとして楽しめる

私達が明晰夢を見るのは、「常識に縛られて窮屈な自分のイメージを解き放ち、自由にコントロールしたい」という欲求の表れなのかもしれません。そこで私がおすすめするのは、心のリフレッシュタイムとして明晰夢を楽しむ事です。

明晰夢の中は、常識に囚われずに自由自在に行動出来るワンダーランド。現実のどのテーマパークよりもワクワクするに違いありません。思い切り楽しんだ後は、心もスッキリしてリフレッシュ出来ているでしょう。

明晰夢をライトに楽しみたいなら、無理に見ようと考えず、明晰夢を見ていると気づいた時に、思い切り明晰夢の世界を楽しむという心構えでいると良いかもしれません。

まとめ

脳科学に関係する難しい話が多くなりましたが、体内時計の調整など、トライしやすい方法で、明晰夢を見る確率を高める事が出来ます。また、リアリティチェックを普段から習慣にしていれば、夢の中で夢と気づいて明晰夢に入る事も可能です。

しかし、睡眠は人間の脳にとても大切なものですから、無理に明晰夢を見る事に執着せず、リフレッシュとして楽しむ事をおすすめします。

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