【呪術(呪い)とは】意味や語源、種類、掛け方、方法を解説
こんにちは、管理人の凛です。
他人を羨んだり、妬んだりするのは誰しもある事だと思います。時には相手を呪ってやりたいと思うほど憎く思う事もあるかもしれません。
このブログでも憎い相手との縁切りのおまじないや呪術について何回かご紹介してきましたが、ここでもう一度呪いとは何なのか、その種類や掛け方等をまとめて解説していきたいと思います。
呪い(呪術)とは神仏や霊に力を借りて災いを起こすもの
「呪い」は「のろい」とも「まじない」とも読む事が出来ます。いずれにしても呪いは神仏や霊等神秘的なものの力を借り、災いを起こしたり取り除いたりする術の事です。今回は「のろい」の方の呪いに絞って解説していきます。
呪い(のろい)は人や社会全般に対して悪意を持って不幸や厄災をもたらそうとする術で、その効果はとても大きいものです。難易度も高い為、知識のない素人が呪いを掛けようとしても術として成立しない…だけならまだ良いのですが、悪い霊等に取り憑かれたり、呪い返しにあって自分だけが不幸になったりするリスクも高くなります。
呪いを掛けたいという強い希望があるなら、専門家の指導を受ける事をおすすめします。
「呪い」は元々敵に打ち勝つ為の祈りの言葉であったといわれている
呪いにも祝いにも「兄」という漢字が含まれています。この「兄」はもともと兄弟という意味ではなく、頭の大きな人(=神主・祭主)を意味するものでした。
呪いも祝いも「祭壇の前で神に祈りを捧げる」という意味で使われていましたが、その中でも「呪い」については、敵に打ち勝つ為の祈りの言葉だったものが、次第に人を傷つける言葉として使われるようになったといわれています。
世界と日本それぞれの呪い
呪いは世界中にありますが、どこかしら共通点もあるようです。世界の様々な呪いについて見ていきましょう。
ローマ時代から続く呪い(ギリシャ)
神への祈りには「神の名において〜」という節がありますが、ギリシャでは、憎いと思う相手の目を見ながら、サタンの名において相手の不幸を願う呪いがあるそうです。相手を目の前に堂々と呪うなんて…と思いますが、中世以降もこの呪いによって亡くなった人が多かったそうです。
5,000年の歴史!メソポタミアの呪い
歴史の授業で4大古代文明の一つにメソポタミア文明があると習いますが、そのメソポタミア文明の頃から続いているといわれている呪いがあります。
夜中に憎い相手の等身大の人形を作り、心臓に当たる部分に赤で☓(バツ)印をつけて針で突き刺します。呪文を唱えると相手は心臓病になって、やがて死ぬとされていました。
しかし、呪文を唱えているところを誰かに見られた場合は呪いが自分に返り、自分が死んでしまうといわれていました。等身大の人形なんて作っているだけで呪いを掛けるのが見つかってしまいそうです。よほどの覚悟がないと出来なかったのではないかと思います。
ゾロアスター教に由来するペルシャの呪い
古代ペルシャで誕生した世界最古の宗教の一つである「ゾロアスター教」は、現代の世界中で多くの人々が信仰する宗教の先駆けであり、基盤になっていると考えられていますが、そのゾロアスター教に由来する呪いもあります。
白い蝋(ろう)で呪いたい相手の像を作り、その中に相手の髪の毛を3本入れます。相手を呪う言葉を3回繰り返し唱えてから川へ流すと、相手は近いうちに水難で死ぬという呪いです。
果物を使った呪い(マレーシア)
赤道直下のマレーシアには年中豊富なフルーツがありますが、そのフルーツを使った呪いもあります。まだ熟していないフルーツを半分に割り、呪いたい相手の髪の毛と何か別の果物を入れたら、紙や布等で包んで1つに合わせます。その後、好きな方法でそのフルーツを腐らせると、腐りきった時に相手が死ぬというものです。
悪魔の壺の呪い(フランス)
フランスのブルターニュ地方に伝わる呪いです。粘土で壺を作り、半獣半人の悪魔の絵を書きます。その壺の中に呪いたい相手の名前と起きてほしい不幸の内容を書いた紙を入れ、土で栓をします。
満月の夜、誰にも見られないように木の根元に埋めると、壺に描かれた悪魔が壺を抜け出して相手の元へ行き、紙に書かれた通りの不幸をもたらすと言われています。
ガラスを使った呪い(アメリカ)
アメリカ東部・ニューヨーク州からミシシッピ川流域周辺の一体をアパラチア地方と呼びます。そこではガラスが割れた音は知人の死を知らせるものだと考えられているそうです。そのアパラチア地方には、月の見えない深夜に十字路で青いグラスを落として割った後に「◯◯(呪う相手の名前)が死んだ」と呟くと、間もなくその◯◯さんが死ぬという呪いがあります。
丑の刻参り(日本)
日本で呪いと言ったらまず思い浮かぶのが、この丑の刻参り(うしのこくまいり)でしょう。能の演目「鉄輪」でも、夫の愛人を呪う為に妻が丑の刻参りを行う場面が描かれています。
白装束で藁人形に五寸釘を打ち込む呪いといえば、大抵の人はすぐにイメージが浮かんできそうですが、丑の刻参りにはいくつかの決まりがあります。
まず、7日間、丑三つ時(うしみつどき=午前2〜3時)に神社へお参りします。丑の刻参りの服装は、
- 顔は白粉を塗る
- 濃い赤の口紅を塗る
- 口には櫛(くし)をくわえる
- 白装束を着る
- 一枚歯の高下駄を履く
- 鏡を首から下げる
- 五徳(ごとく=ガス台の金属製の足の部分)を逆さまにしたものに3本のロウソクを立てて頭に被る←鉄輪(かなわ)
というような決まりがありますが、これらを全て守るのは大変です。出来るだけ白い服で、唇には真っ赤な口紅、鏡は胸元に下げておく、くらいで良いでしょう。
決して人に見られないようにして神社へお参りした後、相手の爪や髪の毛を入れた藁(わら)人形の心臓や目に当たる部分を五寸釘で神木に打ち付けます。
藁人形は漢字の「一」と「人」を組み合わせて「大」の字の形にしたものです。呪いの効力を上げる為にも、藁人形は自分で作るのがおすすめです。
7日目で満願となり、相手は死ぬとされています。しかし、神社の参拝から呪いをかけているところを誰かに見られてしまうと、呪った相手が知らなくても、呪いが返ってきてしまいます。
誰にも見つからず真夜中に7日間、というのはとても実行が難しいですが、その分呪いの効力は強くなります。
密教の本格的な呪い
真言宗(しんごんしゅう)や天台宗(てんだいしゅう)は仏教の中でも密教と呼ばれ、本格的な呪術が伝わっています。特に「摧魔怨敵法(さいまおんてきほう)」または「転法輪法(てんぽうりんほう)」と呼ばれるものは必殺の呪術として厳重に伝えられています。
栴檀(せんだん)の木で長さ12指(指を12本並べた長さ=約25cm)、周囲8指の筒を作ります。栴檀は桐や竹、金属で代用も出来ます。
筒の足元に呪いたい相手の姓名を書いて、頭を不動像に踏ませた敵の人形を折りたたんで封じ込めます。壇上に安置して密教の行法を行い、本尊に加護を祈った後は人形を取り出して燃やせば呪いが完成します。
ただ、密教と言っても、現在このような呪術が実際に行われているわけではありません。安易な気持ちで呪ってほしいとお寺に問い合わせるのは避けましょう。
陰陽師も使っていた呪い
江戸時代くらいまで日本でよく行われていた陰陽道(おんみょうどう)。小説や映画等に登場する事もある陰陽師(おんみょうじ)が扱う呪術です。
蠱毒(こどく)と言って、クモやムカデ、毒蛇等毒を持つ生き物を1つの壺に入れ共食いさせます。最後に行き残った生き物を蠱(こ)として、黒焼きにして粉末にして食べ物に混ぜたり、相手の家の床下に埋めたりすると、相手は原因不明の病気になり急死するといわれています。
呪いの掛け方8タイプを詳しく解説
ここからは実践的な呪いの掛け方を解説していきましょう。簡単に揃えられる材料を使った呪いですから難易度は低めですが、効果はしっかりある呪いばかりです。
人形やぬいぐるみを使った呪い
人形は「ヒトガタ」と書くように、人間の魂を入れ込む呪いや儀式に用いられる事がよくあります。
【呪いで用意する物】
- ぬいぐるみ
- 腐った食べ物
- 土
- ナイフ・水の入ったバケツ等
- 紙とペン
- 針と糸
【呪いの方法】
- 紙に呪いたい人の名前(フルネーム)を間違えずに書く
- 腐った食べ物と土を混ぜておく
- ぬいぐるみのお腹の部分を裂いて、1と2を中に詰める
- 3の裂け目を針と糸で縫い合わせる
- 30日間放置した後、呪いたい相手に遭わせたい不幸をぬいぐるみに与える
【注意点】
5のぬいぐるみは30日放置すると、呪いたい人の魂が宿るとされています。ナイフで傷つけたり、水で溺れさせたり、火の中へくべる等、呪いたい相手に遭わせたい不幸をぬいぐるみに遭わせる事で、数日から数ヵ月後には同じ事が相手に起こるという呪いです。呪いに使ったぬいぐるみは動物霊が憑きやすい為、呪いの後は除霊して下さい。処分する時はゴミと一緒に捨てるのは止めましょう。
ブードゥー人形を使った呪い
木の棒と包帯・毛糸等で自作したブードゥー人形を使って行う呪いです。
【呪いで用意する物】
- 木の棒(短いもの・長いもの1本ずつ)
- 包帯や毛糸
- 油性ペン
- 針、ハサミ等
【呪いの方法】
- 木の棒を十字架になるように重ねて、包帯や毛糸でぐるぐる巻く
- 人形のような形になるように巻けたら、呪いたい相手の顔を思い出して目/鼻・口を書く
- 人形を呪いたい相手に見立てて針やハサミ等で傷つける
【注意点】
人形の顔は呪いたい相手の顔に似せて書きましょう。出来上がった人形を針やハサミで傷つける時は、相手の苦しむ顔を思い描きながら行うと効果的です。人形は処分せずに繰り返し使えます。
蝋人形を使った呪い
蝋を固めた蝋人形を使いますが、調達が難しい場合は普通の人形に牛脂やバターを塗って代用出来ます。
【呪いで用意する物】
- 蝋人形
- 大きな時計(針のあるタイプ)
- 糸や紐
- 塩(供養用)
【呪いの方法】
- 蝋人形(牛脂やバターを塗って代用可)に呪いたい相手の名前と与えたい不幸を念じる
- 時計の針を相手が不幸にあってほしい時間に合わせる
- 1の人形を大きな時計の針にくくりつけて放置
- その時刻に相手に不幸が訪れる
【注意点】
人形は霊が憑きやすく、特に低次元の霊とつながってしまうと呪ったあなたにも悪影響が及びます。呪いの効果が表れたと感じたらすぐに塩等で人形を供養してから処分する事をおすすめします。
ロウソクを使った呪い
必要なものはロウソクと和紙だけなので準備は簡単です。
【呪いで用意する物】
- ロウソク2本
- 和紙
【呪いの方法】
- 和紙でヒトガタを作り、呪いたい相手の名前を書く
- 1本のロウソクを縦に割り、中身をくり抜く
- 2のくり抜いた場所に1の紙を細い棒状に丸めて入れる
- もう1本のロウソクに火をつけ、溶け落ちたロウで割ったロウソクの継ぎ目を塞ぐ
- ヒトガタを入れたロウソクに寺や神社の境内で火をつけ、燃え尽きるまで呪いたい内容を念じ続ける
【注意点】
縁切り寺等の効果がある神社で火をつけるのがおすすめですが、神社に迷惑がかからないように行って下さい。悪い霊が集まりやすくなるので、強い気持ちで行って下さい。呪いが終わったら体を清めましょう。
ペットボトルや瓶を使った呪い
【呪いで用意する物】
- 瓶やペットボトル(10円玉が入る口のもの)
- 10円玉(出来れば呪いたい相手の生まれ年製造のもの)1枚
- 呪いたい相手の髪の毛 2〜3本
【呪いの方法】
- 瓶またはペットボトルに呪いたい人の髪の毛と10円玉を入れる
- 1を出来るだけ古く由来のある神社や寺の庭の土の中へ埋める
【注意点】
神社やお寺に迷惑がかからないようにしましょう。比較的簡単に掛けられる呪いですが、相手に災難が立て続けにふりかかる強力な呪いです。
また、ペットボトルよりも瓶の方がおすすめです。
埋めている姿を誰かに見られたり、埋めた物を動物等に掘り返されたりしてしまうと、呪いが自分に返ってきてしまうので注意して下さい。
紙とインクがあれば出来る呪い
呪いたい相手の本名(フルネーム)が分かれば出来る呪いです。
【呪いで用意する物】
- 紙
- ペン
- 黒か赤のインク
- 筆(あると便利)
【呪いの方法】
- 紙に呪いたい人の本名を漢字で横書きにする。平仮名の場合はそのまま書く
- そのすぐ下に相手の名前の左から1番目の文字を「呪」に変えて書く
- 2のすぐ下に相手の名前の左から1番目・2番目の文字を「呪」に変えて書く
- 全ての名前の文字が「呪」になるまで書いていく
◯◯◯◯◯◯
◯◯◯◯◯呪
◯◯◯◯呪呪
◯◯◯呪呪呪
…… - 紙全体を黒か赤のインクで塗りつぶす(筆を使うと簡単)
【注意点】
呪いたい相手の名前は間違えないようにして下さい。間違えると呪いが自分に返ってきてしまいます。ゆっくり正確に書いていきましょう。
雨水とロウソクを使った呪い
満月の日に行う呪いです。
【呪いで用意する物】
- ボウル1杯分の雨水
- 鍋
- 黒いロウソク1本
- ガラス製の耐熱ボウル
- 呪う相手の持ち物(何でも良い)1つ
- 黒い布 1枚
【呪いの方法】
- 月が見える部屋で黒いロウソクに火をつける
- 雨水を沸騰させてボウルに移す
- 呪いたい相手の持ち物を2に浸す
- ロウソクが燃え尽きるまで燃やし続ける
- 翌朝に相手の持ち物を黒い布に包んで土に埋める
- 3日後の夜、土から掘り起こして相手に気付かれないように持ち物を返す
【注意点】
雨水を事前に溜めておく必要があります。相手の持ち物は何でも良いですが、お湯につけたり、土に埋めたりするので紙や布製の物以外が良いでしょう。プラスチックや金属、ガラス製で小さな物がおすすめです。土に埋めたり掘り起こしたりするのを誰かに見られないようにしましょう。
自分の血を使った呪い
自分の血を使ったいかにも呪いらしい呪いです。
【呪いで用意する物】
- 黒いロウソク
- 小皿
- カミソリ(新品・消毒済みのもの)
【呪いの方法】
- 明かりを消して暗くした部屋でロウソクに火をつける
- 1の前に小皿を置く
- 呪文を静かに繰り返し唱え、カミソリで指先に傷をつけて血を1滴小皿に落とす
「我が血を持って◯◯(呪う相手の名前)に災難をもたらせ。全ての力を注ぎ込みし憎しみを形に」 - 両手で小皿を持ち、ロウソクの上にかざす
- 血が乾燥するまで呪文を繰り返し唱える
- 最後に「今こそ形に」と囁いてからロウソクの火を消す
【注意点】
カミソリは新品のもので消毒したものを使いましょう。切りすぎないように注意して下さい。呪いが終わったら、消毒を忘れずに。
ロウソクの上に小皿をかざす時は火傷に注意しましょう。
呪いを掛ける事のリスク
呪いは相手に不幸をもたらす効果がありますが、それによって起きるリスクも知っておかなくてはなりません。
人を呪えばいずれ自分にも害が及ぶ
「人を呪わば穴二つ」と言う言葉があります。これは、人に害を与えようとすれば、やがて自分も同様の害を受けるようになるという意味です。単に道徳的な問題ではなくて呪術や魔術では本当にある話です。
陰陽師は誰かを呪い殺そうとした時に呪い返しをされた場合は自分も死んでしまう事が分かっているので、相手と自分の為に墓穴を2つ作ってから呪いをかけていた、という話が由来です。
今は悲しみや恨みで気持ちがいっぱいだったとしても、いずれその傷は癒やされます。幸せだってやって来るはずです。でも相手を呪ってしまったら、将来の幸せも失ってしまうリスクがあるのだと理解しておきましょう。
それでも相手を呪いたいのか、呪う前にもう一度考えてみて下さい。
相手に呪いを返されるリスクがある
貴方が呪いをかけたと相手に知られた場合、相手も貴方に呪いを返してくる可能性があります。呪いをかけた後、気分が重苦しくなったり、体がだるくなったり、著しくエネルギーを消耗するような事があれば、軽度の「呪い返し」を受けた可能性が高いです。軽度であればこの程度で済みますが、相手が真剣に呪い返しをしてきた場合は命にも関わるでしょう。
また、誰かを呪うにはその代償を求められたり、悪い霊に取り憑かれたりする可能性もあります。呪いをかけているところを誰かに見つかれば、その後の人間関係も悪化するでしょう。
決して気楽に人を呪おうとはせずに、本当に呪いを掛けて良いのかをよく考えてみましょう。
まとめ
呪いは古くから存在し、強い効果をもたらすものも多くありますが、使い方を間違えると呪い返しや呪いの代償を求められるリスクも高くなります。呪いを掛ける前には、自分自身が受けるかもしれないダメージについてもよく考えて、それでもなお呪いを掛けるべきか、十分に考えてみてから実行しましょう。