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【やさしい仏教入門】生きる意味(目的)の正しい意味や解釈

道

こんにちは、管理人の凛です。

今回は、仏教における生きる意味、目的についてご紹介いたします。

仏教において人はなぜ生きるのか、何を目的とすべきなのかを基本から理解していきましょう。

平等に与えられた時間・人生を、より幸福に導く為に、生きる意味を見出す事が大切です。

目次

よりよく生きる事を教える仏教

大仏

仏教において生きる意味を簡単に説明できるわけではありません。
生きる意味とは、伝統的な宗教をもってしても解き明かすことの難しい課題だからです。
しかし、仏教では、苦しみの多い世で生きていく為、生きる意味にも向き合い、思索を深めています。

仏教では、何が原因で苦しむのか、またどのような行いをすればその苦しみから解放されるのかという事を教えています。

人生は思うようにいく事ばかりではなく、苦しみも沢山あります。

しかし仏教の教えを守り、悟りを開く事が出来れば悩みや苦しみから解放されます。

悟りを開く事が出来れば、より生き生きと幸せな人生を歩めます。

生きる意味への答えは膨大な量になる

仏教では、「生きる意味は何ですか」と聞かれて簡単に「こういう意味があります」と答える事は出来ません。

仏教の様々な教典には政治の話、経済のはなし、また夫婦関係の話等が書かれているものもありますが、それらはほんの些細な量です。

残りは全て生きるという事の意味について書かれています。

仏教において本当に生きる意味を知りたいのであれば、これらの教えを一から学ぶ必要があります。

人によっては、仏教を学ぶ事こそが生きる意味である、と答える人もいます。

仏教では心の動き、物質の変化、生命の誕生と滅亡、苦しみについて、また幸せについて等、様々な事を教えています。

これらを全て学びきる事は、我々の短い人生の中では非常に難しい事です。

仏教を理解する事で生きる意味を理解出来る

もし、仏教を学んでいる人に「生きる意味は何ですか」と聞いて、「こういう意味ですよ」とあっさり答えてもらえたとしても、納得出来ないと感じるでしょう。

生きる意味を知りたがるのは、あなたがあなた自身に執着しているから、またあなた自身を特別な存在だと思っているからです。

しかし仏教では執着や煩悩といったものは捨てなければなりません。

自分だけが特別なのではなく、生命や物質は全て因果関係があり、調和のとれた状態で存在している事も理解する必要があります。

簡単に言われてこれらを理解する事は難しく、生きる意味を理解する事も出来ないでしょう。

本当の生きる意味を知る為には、簡単な答えを求めるのではなく、仏教そのものを学び、理解し、自分の中に落とし込む必要があります。

生きる意味に執着しない事で幸せになれる

解放

人は生きる意味を見つける為に宗教や哲学を学び、難しく考えてしまいがちです。

しかし仏教では仏教特有の考え方を持ち、より魂を正しく幸福な方向へ導く為に必要な事を続けるよう説いています。

生きる意味を「欲」にフォーカスすると、人生は苦しいものになります。「地位や名声の為に」「結婚をする為に」「お金を稼ぐ為に」生きていると、ゴールに到達したと思ってもその後の人生をどのように過ごせば良いのか分からなくなったり、余計に何かに執着するようになってしまいます。

反対にこれらの目先の、かりそめの「生きる意味」から解放されれば、些細な事に落ち込んだりイライラする事がなくなり、毎日を幸せな気分で過ごす事が出来ます。

生きる意味に執着しないというのは非常に難しい事のように感じますが、これからご紹介するような仏教の基本的な教えを守っていく事で、徐々に執着から解放されて行くのを感じるでしょう。

この世の真理を示す4つの言葉

仏教では、この世の真理を示す言葉が沢山あります。

その中でもこれからご紹介する4つの言葉は、仏教の根底にある非常に重要な考え方に基づいています。

仏教を知る上で欠かせない、この世の真理を示す言葉を理解していきましょう。

【一切皆苦】人生の悩みや苦しみを示す

悩み、苦しむ

「一切皆苦」とは、人生に悩みや苦しみはつきものだという意味です。

生きていると思い通りにいかない事ばかりが起き、人はその都度悩み、苦しみます。

「苦」は、仏教では苦しいという意味だけでなく自分の思うようにならないという意味もあります。

仏教の基本はこの一切皆苦を知る事から始まります。

そもそも生きていれば思い通りにならない事ばかりだと気づかなければ、次のステップに進む事が出来ません。

一切皆苦には、日常会話でもよく利用される「四苦八苦」という言葉も関係しています。

四苦八苦の「四苦」には、死ぬ事の苦しみ、病に倒れる事の苦しみ、老いる事への苦しみ、そして生きる苦しみが含まれています。

そして四苦八苦の「八苦」には自分の心や体を思うがままにコントロール出来ない苦しみ、愛する人と離別する事の苦しみ、恨みを感じる人と出会わなければならない苦しみ、そしてお金、名誉、地位、名声等を求める事の苦しみが含まれています。

これらの苦しみから解放されるには、仏教を学んで生きる意味を理解していかなければなりません。

【諸行無常】形あるものはいずれ滅びる

諸行無常は、この世のものはいずれ形を変え意味を変え、変化し続けているという意味です。

平家物語の冒頭部分にこの言葉が使われている事から、こちらも知名度の高い仏教の言葉です。

この世では、自分自身はもちろん、生き物、物質等、全てが日々変化しています。

人間関係、お金の価値、地位、名声等も、何か一つのアクションであっと言う間にその価値を変えます。

それなのに私たち人間は、やがて変わってしまうものが変わらないでいる事を望み、手にしているものに執着してしまいます。

いずれ滅びてしまうようなものは、いくら手にしたところで本当の意味での満足感を得られる事はありません。

自分の執着に気づき、また変わらないでいてほしい、もっと手に入れたいという欲望に気づく事で、仏教においてより深い意味での生きる意味を見つけていく事が出来ます。

【諸法無我】この世の因果関係を示す

因果関係

「諸法無我」とは、この世の全ての出来事、物事は何らかの因果関係によって生み出されているという意味です。

他のものと関係せずに成り立っている出来事や物事というものはありえません。

あなたが今生きているのも両親がいたからであり、誰かが作った食材を口にし、誰かからあなたの手に渡ったお金を持っているからです。

人間関係もそうです。あなたに影響を与えた人、あなたが影響を与えた人、はっきりと関係しているのが分かるような人から、思わぬところで繋がっているような人もいます。

動物の食物連鎖や自然環境について考えるとより分かりやすいかもしれません。

肉食動物が草食動物を食べ、草食動物は草を食べますが、その草は大地から生まれ、大地は天候や地殻変動等様々な要因の元に成り立っています。

世界はお互いがお互いに影響を与えながら、絶妙なバランスの上に成り立っています。

自分は自分だけのものだと考えてしまいがちですが、このようにあらゆる関係性の中で自分は生かされていると気づく事が大切です。

【涅槃寂静】苦しみのない悟りに境地を示す

「涅槃寂静」とは、仏教において悟りの境地を示します。

仏教だけでなく全ての宗教は、何の意味があって生きているのか、より幸福な人生を歩む為には何が必要なのかを考え、教えてくれます。

しかしどんなに宗教についてしっかり学び、教えを聞いても、人生は悩みや苦しみの連続です。

すると人は、どうしても自分以外にその原因を求めるようになります。

自分が今不幸なのはあの人のせいだ、世間のせいだ、環境のせいだと周囲に不満を抱きます。

さらに人と比較して優越感に浸ったり、反対にプライドを傷つけられたり、目先の幸福だけを追い求めていつまでも満足感を得られなかったりします。

このような感情は仏教では煩悩とされます。

煩悩を消し去る事が出来なければ、本当の意味で成仏する事は出来ません。

反対にこれらの煩悩を消し去って安らかな心を得る事が出来れば、悟りを開く事が出来、涅槃寂静の境地にたどり着く事が出来ます。

涅槃寂静に行き着く為には人生は一切皆苦、この世は諸行無常、そして諸法無我である事をきちんと納得して理解しなければなりません。

理解していく事が出来れば、些細な事で喜んだり、悲しんだりする事もなくなり、気分の浮き沈みのない幸せな人生を手に入れる事が出来ます。

人生の苦しみを理解してコントロールする教え

コントロール

仏教では生きていく上で避けられない苦しみを理解し、コントロールする事を教えています。

どのようにして苦しみが生まれるのか、どのようにすれば苦しみを消す事が出来るのかという基本をご紹介いたします。

【四聖諦】苦しみのメカニズムを説く

仏教の苦しみのメカニズムは「四聖諦」という四つの真理から成り立っています。

一つは「苦諦」。これは、人生は思い通りにならないものであるという事を理解して、苦しみに正面から向き合う事を指します。まずは苦しみに向き合わなければ悟りを開く事は出来ません。

次に「集諦」です。これは、苦しみの原因は煩悩にあると理解する事です。手放したくない、もっとほしいといった煩悩があなたをより苦しめています。煩悩から解放されなければ真の幸福を人生に見出す事は出来ません。

次に「滅諦」です。これは煩悩を消し去り、先ほどご紹介した悟りの境地である涅槃寂静に到達する事です。

そして最後に「道諦」です。これは、悟りを開く為に、また涅槃にたどり着く為に仏教における正しい行いを実際に行う事を指します。

この四聖諦では、執着や煩悩を捨てなければ涅槃にたどり着く事は出来ないと言っています。

では、執着、煩悩を捨てる為にはどのような行いをすれば良いのでしょうか。

【八正道】執着や煩悩を消し去る為の

仏教には「八正道」という修行があります。

これは人生における執着、煩悩を消し去る為の修行で、涅槃にたどり着く為には必ず必要です。

仏教では「中道」という、偏っていないニュートラルな状態を非常に大切にしています。

偏見を持たず、自分の価値観だけで物事を判断せず、あくまでも平等な視点で物事を見て考える事こそが仏教では重要です。

この「八正道」は、その中道を目指す為の修行でもあります。

八正道は八つの正しい道が記されており、これらを実践していかなければなりません。

正しいものの見方をする事、正しい考え方を持つ事。

正しい意思で判断し、怒りや感情に任せた決断をしない事、心にとって正しい行いをする事。

正しい言葉を使い、嘘や悪口を言わない事。

正しく生きて無闇な殺生や盗みをしない事。

正しい生活を送り、行儀よく、また規則正しい健康的な毎日を過ごす事。

正しく努力し、良い方向に向かう事。

正しい意識や思いを持つ事。

正しく心の平穏を保つ事。

この八つを日常的に意識して守る事が八正道の修行です。

簡単そうに見えても毎日の様々な出来事の中では非常に難しいです。

しかし、これらを守る事が出来るようになれば、より人生が充実したものになり、生きる意味を見いだせるようになるかもしれません。

まとめ

仏教における生きる意味についてご紹介いたしました。

生きる意味は、多くの宗教や哲学で語られてきた問題ですが、本当の意味を知るのは非常に難しく、それを知る為に人生があり、私達はこの日々を生きているのかもしれません。

仏教においても、簡単に一言で示せる事柄ではなく、仏教をより深く理解して自分の中で解釈、昇華していかなければなりません。

まずは仏教の基本的な考えを理解して、生きる意味を自分の中で見つけられるようにしていきましょう。

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