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日本の迷信・言い伝え一覧

術・物・てるてる坊主、迷信 言い伝え

こんにちは、管理人の凛です。

迷信や言い伝えは、科学的な根拠を持たないとはいえ、先人の経験からくる知恵が詰まった産物であり、案外あなどれません。

今回は日本の代表的な迷信・言い伝えの一覧を紹介します。知っていると思っていた迷信でも、意外な意味や由来があるかもしれませんよ。

目次

迷信の一覧とその由来

迷信の一覧とその由来を解説しています。現代にも伝わっているものを30個厳選しました。
迷信は多くの場合、健康や作法の上で芳しくない行為を禁じるための便宜としてできています。

縁起が悪いとされる迷信

夜に爪を切る
夜爪を切ろうとしたら「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」と言われた人は多いはず。
このように、縁起が悪いと信じられてきた迷信は、ほかにもあります。

夜に爪を切ると親の死に目に会えない

夜爪=世詰めの語呂合わせから、寿命を縮める、早死にすると言われるものです。親の死に目には会えないとはつまり、親よりも早く死んでしまうということ。

これはまだ家々の照明設備が十分でなかった時代にできたものとされます。当時、暗闇のなかで刃物を用いることは大変危険な行為でした。目測を誤ったり、手を滑らせたりして指を切ってしまうかもしれません。

程度によっては、死とまではいかなくても、生涯ついてまわる損傷となることもありえます。その危険を封じるためにできた迷信と考えられます。

靴下を履いたまま寝てはいけない

靴下を履いたまま寝ると、これも親の死に目に会えないなどと言われます。その由来は、葬式の際に死者が白足袋を履かされることにあります。

死装束であり、靴下を履いたまま横たわることは、死者の振る舞いを模倣することにほかなりません。自らの葬式をしている=早く死ぬというふうに結び付けられています。

霊柩車の前では親指を隠す

これもそうしないと親の死に目に会えないと言われる迷信の一つ。死んでから間もない人にはまだ霊が宿っているとされ、その霊が、親指の爪と皮膚の間から入ってくると信じられていました。

北枕で寝てはいけない

北枕で寝てはいけないと言われる理由は、仏教の開祖である釈迦に由来します。釈迦はその往生のとき、頭を北に向けていたと言われています。

そこからインドでは死者を釈迦と同様、頭が北に向くようにして寝かせる風習ができました。インドではむしろ北枕は縁起がいいものと考えられますが、日本では単純に死者の姿勢であることから、その再現をすることは縁起が悪いとされます。迷信に反して風水では、北枕は悪くないものと考えられています。

写真に取られると魂を吸われる

現代では当たり前の道具であるカメラですが、発明当時の人たちにとって写真の仕組みは理解不能で、それはそれは不気味なものに思えたことでしょう。馴染みのない四角い箱(=カメラ)で何やら操作すると、それを向けられた人の姿が複製される…。

つまり、あの箱に、魂を取られているのだ、と考えられたわけです。あるいは、写真に写っているのが、その人の魂の抜かれた姿だと。変型として、「三人で写真を撮ると真ん中にいた人物は魂を抜かれる」というものもあります。

当時の技術では、全員にピントを合わせることができず、真ん中の人物が最も判然と写ったことから、最も魂を吸い取られていると考えられたのでしょう。

しゃっくりが100回出ると死ぬ

これも科学的根拠はなく、しゃっくりが直接的に命にかかわることはありません。100回というのも、ただ単に「そのくらい多くの」ということを強調しているだけです。おそらく、くしゃみと同様、昔の人はしゃっくりもまた、人為の及ばない不可思議な現象だと感じたのかもしれません。

縁起がいいとされる迷信

四つ葉のクローバー
では反対に縁起がいいとされる迷信にはどのようなものがあるのでしょうか。
実践すれば、ツキが向いてくるかもしれません。

耳たぶが大きい人はお金持ちになる

いわゆる「福耳」です。大黒天や恵比寿など、大きな耳たぶを持つ神様が多いことから、縁起がいいと考えられています。また、「三十二相八十種好」という、釈迦が仏の理想的な外形として述べる特徴の中にも、福耳は含まれています。

蛇の抜け殻を財布に入れておくとお金が貯まる

蛇は、財宝神として知られるインドの神様・弁財天の使いだとされます。また、脱皮を繰り返す生態から、蛇は「再生」を象徴するものと扱われるようになりました。

お金が一度財布から抜け出たとしても、また新たな姿で戻ってくる、というような意味が込められ、まさしく再生の瞬間に相接するものである「抜け殻」が、金運を呼び込むアイテムとして採用されたのではないでしょうか。

流れ星が流れている間に願い事を3回唱えるとその願いが叶う

流れ星に願い事をする迷信は日本のみならず世界各地に見られます。有力な由来の一つに「流れ星は神が天の扉を開いたときに漏れ出る光」だとする説があります。神が扉を開いているとはつまり。神がこちらを覗いているということ。そのため、その間に願い事をすると神に届きやすい、と考えられるわけです。

四つ葉のクローバーを見つけると幸運が訪れる

3枚の葉を持つことが通常であるクローバー。四つ葉は、三つ葉1万に対して1つの割合で見つけられると推定されています。そのため、四つ葉のクローバーを見つけること自体がすでに相当な幸運と言えますが、四つ葉の形が十字架に似ていることも相まって、幸運を象徴するものと考えられました。

一富士二鷹三茄子

初夢でこれらを見ると、縁起がいいとされます。富士山は古くから信仰の対象としても崇められ、「富士講」と呼ばれる、宗教組織が存在しました。

その最も古いものの一つが江戸の駒込富士神社を拠点としており、その周辺にあった鷹匠屋敷と、駒込の名産である茄子とを合わせて、縁起物としたというのが一説です。他には、富士は「不死」や「無事」、鷹は「高い」、茄子は「成す」との語呂合わせといった説があります。

食事作法・食べ物にまつわる迷信

茶柱
箸と箸で食べ物を渡しあうのは、日本のテーブルマナーの禁忌として知られています。しかし、それ以外にも食べ物・食事作法にまつわる迷信があります。

箸と箸で食べ物を渡してはいけない

食事中、箸と箸で食べ物のやりとりをすることは禁じられています。「箸渡し」といわれるマナー違反です。これがよくないとされる理由も、葬式の風習に関係しています。

故人を火葬したあと、骨上げといって遺族がその遺骨を箸で掴み、順に渡して骨壷に収める儀式があります。これを連想させるため、箸渡しは禁忌とされます。とにかく、葬送儀礼で行われる所作を日常生活において繰り返すことは忌み嫌われるのです。

箸をご飯に立ててはいけない

ご飯に垂直に箸を突き立てるのは、死者に供える「枕飯」のやり方です。それを連想させるため、日々の食事の際にこれを真似るのは避けられます。子どもがやりがちな無作法を戒めるための迷信の一つだと言えるでしょう。

食べてすぐ横になると牛になる

食事のあとすぐに寝転ぶことは行儀の悪い行いとされ、それを戒めるために作られた迷信だと考えられます。

また、食べてすぐ横になることは作法上の問題に加え、消化・吸収にもよくなく、逆流性食道炎などの一因となるため、避けた方がいいことは確かです。万が一横になりたい場合、右を下にして横になると、胃にいいそうです。

宵越しのお茶は飲んではいけない

茶葉にはタンパク質が多く含まれており、一度使ったお茶殻を一晩(長時間)置いておくと、簡単に腐ってしまいます。またお茶の味覚を決定づけるタンニンという成分も、長時間置くと酸化し、胃腸に与える刺激が大きくなります。

食中毒で死亡することの多かった時代にとって、この言葉は実際に傾聴すべき価値があったことでしょう。もちろん現代においても同様、信じるに足るものです。

茶柱が立つといいことがある

茶葉の中に混じった茎が、お茶を入れた際に茶碗の中で縦に浮いた状態が「茶柱が立つ」です。基本的に、茶葉に茎が混入しているのは高級なお茶とは言えず、茶柱が立つことは、それがあまり上等なお茶ではないことを示すものです。

そこで茶商人がそのマイナスイメージを打ち消すため、縁起がいいと嘯いて売り出したことに起因すると言われています。似たような迷信として、土用の丑の日にうなぎを食べるとよいというのも、夏場に商品が売れ残るのを案じたうなぎ屋が言い始めたものだとされています。

「丑の日に「う」の字がつくものを食べると夏負けしない」というのは、それが拡大されたものと考えられます。

うなぎと梅干しを一緒に食べるとお腹を壊す

奇しくもうなぎも梅干しも「う」の付く食べ物ですが、たとえ丑の日であっても同時に食べるのはよくないようで、昔からうなぎと梅干しは食べ合わせが悪いと言われています。

しかし医学的には、そのような根拠はなく、むしろ梅干しはうなぎの消化を助ける働きをするため、相性はいいそうです。このことから、さっぱりとした梅干しと一緒だと、贅沢品であるうなぎを食べすぎてしまうということを戒めるものだったのではないか、などと考えられています。

初物を食べると長生きする

「初物七十五日」と言って、それを食べると75日長生きすると言われます。

75日と言われる所以は、中国の「五行」という思想において、一年の季節は火木土金水の5つに分けられるとされ、365日を5で割るとおよそ75日になります。そのため75日は1つの季節を表し、つまり初物が出てから別の初物が出るまでの期間とも言えます。

江戸時代、死刑囚に対して彼が望む食べ物を最後の温情として与えてあげる決まりがあり、その死刑囚が季節はずれのものを欲したため、季節が巡るのを待たねばならず、そのぶんの75日間長く生きた、という逸話があるようです。

子供にまつわる迷信

乳歯 子供
子供のしつけのためや健やかな成長を願うために考えられた迷信を紹介します。
幼少期に親からさんざん言われたという人もいるのでは…。

夜に口笛を吹くとヘビが出る

ヘビの他にも「幽霊」や「泥棒」が出るというような複数のバリエーションがありますが、いずれも夜に口笛を吹くことを禁ずるもの。

その由来は、一説によれば、昔、人身売買が横行していた頃、取引は主に夜間に行われ、その売人同士の合図が口笛だったと言われています。そのため迂闊に子どもが夜に口笛を吹いたりすると、売人が仲間と思ってやってくるかもしれない。それを危惧したことから、ヘビという、より身近な恐怖の対象を使って子どもにそれを禁じたとされます。

上の歯は下方に、下の歯は上方に投げる

乳歯が抜けたとき、それが上の歯であれば縁の下など低いところへ、下の歯であれば屋根の上など高いところへ投げるとよいという迷信です。

投げた方向に向かって、新しく生えてくる永久歯が丈夫に育ちますようにという願いが込められています。歯に関する迷信は世界中に見られ、たとえば欧米では、抜けた乳歯を枕元に置いておくと、妖精が来て歯を持ち去るかわりにお金を置いていくというものがあります。

妖精はキレイな歯でないと持っていかないことから、虫歯にならないよう、子どもに日頃から歯磨きをしっかりさせるための迷信と考えられます。

雷が鳴ったらおへそを隠す

雷様は子どものおへそが大好きだから、雷が鳴ったときには隠さないとおへそを取られに来てしまう、というものです。この謂れの一つに、おへそを隠すことで必然的に前かがみの姿勢になることを促しているという説があります。

というのも、雷は高いところに落ちるという性質があります。なので、前かがみの姿勢になり頭の位置を少しでも下げることで、雷に当たりにくくすることを促していると考えられます。

もう一つには、雷とともに夕立が来ると気温が下がるため、その際にお腹を出していると体が冷えます。それを防止する説だとも言われます。

雛人形をしまうのが遅れると婚期を逃す

雛人形は天皇の結婚式を表したものです。そのため、雛人形をいつまでも出しておくことは、いつまでも結婚式が終わらない、と考えられたのかもしれません。

一説には、片付けができないといいお嫁さんになれないから、と女の子に対する教育的な意味で言われたものだともされていますが、一般に雛人形を用意するのは親の方であり、それを子が片付けなければならない道理はないため、いくぶん説得性に欠けます。

男女の双子は前世で心中した男女の生まれ変わり

迷信のなかでは、双子は忌み嫌われる傾向にあります。「黄身が2つある卵を食べると双子が生まれる」というのも、双子を不吉なものと捉え、それを回避させるために言われた迷信です。

妻が妊娠している漁師は漁に出てはいけない

妊娠、出産はおめでたい出来事であると同時に、大量の出血を伴うため神道でいうところの「穢れ(けがれ)」とされます。

そのため縁起がよくなく、周囲に穢れをまとっている漁師を連れていくと不幸がある、と考えられました。しかし実際には、妻の近くにいて身の回りの世話などをしなさいと夫に促すものだったと言われています。

丙午(ひのえうま)の年に生まれた女性は鬼となって家族を苦しめる

もとは「丙午の年には火事が多い」という迷信が、変形したものだと言われています。丙午とは、干支の1つ。今は十二支のみを言うことが一般ですが、干支とは十干と十二支と合わせた60年周期で巡るもので、丙午の場合、十干が丙、十二支が午というわけです。

恋のために放火し、火あぶりの刑となった八百屋お七が丙午の生まれだとされていたことから、火事や女性と結びついた迷信ができました。実際、直近の丙午である1966年には、前年に比べ出生率が25%低下したそうです。

血液型にまつわる性格診断

血液型
A型は几帳面、B型は自己中心的、などなど、血液型から性格を占う文化は広く現代日本に根付いていますが、これらも科学的根拠はまるでなく、迷信の一種です。

ほぼ日本に特有の傾向ですが、古くは古代ギリシャの医者ヒポクラテスが、人間は血液、黄胆汁、黒胆汁、粘液の四体液からなり、これら体液のバランスが性格にもかかわると唱えています。

生活の知恵としての迷信

「猫が顔を洗うと雨が降る」をはじめ、昔の日本人の生活として役立てられていた迷信を紹介します。

猫が顔を洗うと雨が降る

猫は唾液を前足につけ、顔をこするようにして洗います。こうして猫が顔を洗っていると、近々雨が降ると言われます。猫は湿気を敏感に感じ、顔を洗うとされるため、猫が顔を洗うことと雨には一定の相関があるのかもしれません。

同じような言い伝えに、ツバメが低く飛ぶと雨が降るというものもあります。ツバメもまた、湿度が高まると高く飛びにくくなるため、低く飛んでいるということは、天気が下り坂であることを示す一つの兆候となりえます。

緊張したときには手のひらに「人」という字を3度書いて飲み込む

緊張して気圧されることを「人に飲まれる」などと言いますが、反対にこちらが圧倒することを「人を飲む」と言います。この言い伝えはそうした言葉からの連想で生まれたものだとされています。

また、手のひらの中央には、心労が集まる中心とされる「労宮」というツボがあります。そのツボを押すことでリラックス効果が得られるとも考えられます。

身体にまつわる迷信

くしゃみ
「くしゃみ」「体温」「血液型」と身体反応・機能にまつわる迷信を紹介します。

くしゃみをしたときには誰かが噂をしている

花粉やホコリを吸い込んだり、風邪を引いたりしたときなどに起こる、ごく自然な生理現象であるくしゃみ。しかし昔の人は、自分の意志で制御できないものであるくしゃみを、不思議な現象と捉えており、何か人智を超えた存在によって鼻から魂を抜かれてしまうと信じていました。

そうした人智を超えた存在が、同じく自分の与り知ることのできないものである「他人による自分にまつわる噂」と結び付けられた結果生まれた迷信だと考えられます。

くしゃみをすると魂を抜かれるという迷信は海外にもあり、英語圏ではくしゃみをした人物に対して「Bless you」と声がかけられます。「神のご加護を」という意味です。

手が冷たい人は心が温かい

人間は血液を体中に循環させることで、ほどよく熱を分散しています。手が冷たい人は、体内の血液の巡りがよくないということです。

したがってこの迷信をより正確に言うなら、末端が冷たいかわりに、そのぶん中心部が温かくなっている、というようなところでしょう。体の中心部=心というように連想されたと思われます。

血液型にまつわる性格診断

A型は几帳面、B型は自己中心的、などなど、血液型から性格を占う文化は広く現代日本に根付いていますが、これらも科学的根拠はまるでなく、迷信の一種です。

ほぼ日本に特有の傾向ですが、古くは古代ギリシャの医者ヒポクラテスが、人間は血液、黄胆汁、黒胆汁、粘液の四体液からなり、これら体液のバランスが性格にもかかわると唱えています。

まとめ


以上、日本の迷信・言い伝え一覧を紹介しました。

まったく根拠のないものもある一方で、かなり正当性があるものもあることがお分かりになったのではないでしょうか。仮に信じられないような迷信であっても、一つ一つ由来があると知ることは、興味深いですね。

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