【正しいお清めの方法】盛り塩のやり方と種類・場所・注意点
こんにちは、管理人の凛です。
皆さんは、民家の玄関先などに山型にして塩を盛っているところを見たことがありますか?これは「盛り塩」と呼ばれる風習で、魔除け・厄除けの意味を持つおまじないの一つです。
簡単で手軽に行えるおまじないですが、望んだ効果を発揮するためには正しい知識が必要。
今回は盛り塩の基礎知識を始めとし、やり方や使用する塩の種類、置き場所、その他注意点など、盛り塩にまつわる知識を全般的にお伝えします。
盛り塩にはお清めと縁起担ぎの2つの側面がある
盛り塩には、悪いものを追い払い、いいものを寄せ付けるという2つの側面があります。
例えば、神社ではお清めの目的で塩がお祓いやお供えに使われていますし、高級な料理屋などの店先に盛り塩がされているのには人寄せとしての意味合いがあります。
これは盛り塩の起源として日本と中国2つの説があり、日中それぞれで塩が盛られる意味合いが異なったことによると考えられています。
日本起源説では塩が神聖さやお清めといった意味を持つ
盛り塩の有力な起源の一つには日本の神事や葬送儀礼があるとされています。神道では神棚に塩を供える風習があり、葬式後には塩をまく風習が古くからあるでしょう。
いずれも塩が清浄や生命力にかかわる意味合いを持つものとして扱われており、そうした考え方が徐々に一般に普及していったと考えられています。
また「古事記」においては海水で禊ぎや祓いをしたという記載が見られ、ここからも塩の神聖さやお清めといった意味を読み取れます。
中国起源説では塩は人寄せのための縁起担ぎ
他方で西晋時代の中国を起源とする説もあります。時の皇帝司馬炎は毎夜、羊に引かせた車に乗って、一万の宮女を住まわせた後宮をまわりました。
そして車が止まったところの女性のもとで一夜を共にしたと言われています。このとき、宮女たちは自分のところ皇帝を招くため、自室の前に塩を盛ったという逸話があります。
これが後の日本に伝わり、人寄せのための縁起担ぎとして盛り塩の風習が広まったとされています。
盛り塩のやり方は伝統に基づいて行うがベター
効果が理解できたところで、盛り塩のやり方をお教えしていきます。
どのような塩を使うべきか、形や量はどうすればいいか、置く場所はどこがいいのかということを抑えれば、実行は簡単です。
盛り塩に使う塩は海水由来で無添加のものを
まずは盛り塩に使用する塩の種類について。これは、海水由来で無添加のものを使うことが推奨されます。
市販されている塩は海水系、岩塩系、塩湖系など、収穫された場所によって分類できます。
古事記では海水を使ってお清めの儀式をしたとありますので、こうした古来の伝統を重んじるなら、盛り塩に使う塩は海水系を選ぶことが望ましいと言えます。
一般的な家庭に置いてある可能性の高い食卓塩には、固結防止などの目的で添加物が付加されているものが多いです。
しかし塩の清浄さを最大限尊重するためには、添加物入りをなるべく避け、無添加のものを使用しましょう。
神社などではお清めに使える塩を販売しているところがあります。通常のスーパーマーケット等で探すよりも、そちらの方が早いかもしれません。
盛り塩の形に厳密な決まりはない
円錐または三角錐の形をしているイメージのある盛り塩ですが、形に関して、特にこうしなければならないという決まりはありません。
山型にされていることが多いのは、神社において神へ供え物をするときにその形にされていることが由来で、それが一般に広まったものだと考えられます。
最近では盛り塩を綺麗に盛るためのグッズも販売されているようですが、そこまで神経質になる必要はありません。自然な山型になるように盛れば結構でしょう。
盛り塩の量も自由
量についても厳密な決まりはありませんが、山型に盛りたければそれ相応の量が必要になります。自然な山型になる程度と考えて差し支えありません。
葬送儀礼における清めの塩の分量を目安にするという考え方もアリです。
清めの塩の分量は「ひとつまみ」というふうに言われていますが、これを例えば一緒に住む家族の人数分に当てはめてみて盛り塩の量を決めてもいいかもしれません。
盛り塩に使う皿は白い土器が基本
塩を盛る皿についてですが、白く平たい土器が使われることが多いです。
神に供える塩や酒、水などは土器に入れるのが基本ですので、それに習うことが望ましいでしょう。
盛り塩を置く場所は玄関や水回りが有効
塩と皿が用意できたらあとは置くだけ。一般的には玄関の外に置くことが多くなっています。実際、玄関は内と外とがまじわる境界であり、そこに塩を盛ることには一定の意味があります。
特に人寄せとしての意味合いを強く持たせたいなら、外からひと目につく玄関の外という場所がベスト。
反対にお清めやお祓いの方が強いなら、玄関の扉の中に置くというのが、家の中に結界を張るという意味で有効です。
他の選択肢としてはキッチンやトイレ、お風呂といった水回り。水回りは家の中でも凶作用の強く働く場所であるため、清浄な塩を盛ることで厄払いの効果が期待できます。
さらに言えば、結界を張るという目的においては、神社の鳥居や狛犬のように二つで一組であることが重要。
そのため玄関の左右や、家の鬼門(北東)と裏鬼門(南西)に二つ一組で盛り塩を置くことも非常に有効です。
盛り塩をするときの注意点
盛り塩をするうえでないがしろにされがちなのが、使った塩の処分や交換についてです。
一度盛り塩をすれば置きっぱなしにしておけばよいというわけではなく、適切な周期で交換・処分する必要があります。
盛り塩は2週間に1度交換しましょう
神棚に供えるもののうち塩、米、水、酒は毎朝取り替えるものとされています。これに倣って毎朝交換してもよいですが、さすがにそれは負担が大きいと思います。
そこで、他のお供え物を参考にしてみてもいいかもしれません。同じお供え物の中でも、榊の交換時期は毎月1日と15日とされています。
これは旧暦における新月と満月の日付に基づいており、この日にはお参りに行くといいとも言われている特別な日付です。
そのため、この周期で盛り塩も取り替えることをおすすめします。神道の伝統にも則っており、負担もそれほどかからないでしょう。
盛り塩に使った塩は水に流して処分
盛り塩は使ったその場で処分するのがよいと言われることが多いですが、玄関や部屋の中などに置いていた場合、なかなかそうはいかないものです。
昔から水には清浄作用があると信じられているため、流しに流して処分することが家庭内ではやりやすく、ふさわしい方法でしょう。
また、塩は排水溝の汚れにも効くと言われているので一石二鳥かもしれません。
悪い気を吸収している塩なので、間違っても食用にはしないで下さいね。
まとめ
古くから魔除けや千客万来の願掛けとして使用されてきた盛り塩。比較的自由度が高く誰にでも気軽に行えるおまじないです。
海水由来の天然塩を使って平たく白い土製のお皿に盛り、あとは邪気を払いたい場所に置いておくだけでOK。
ここで紹介した方法を参考にし、ぜひ実践してみて下さいね。