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【自己愛性パーソナリティ障害とは】症状や特徴等についての正しい理解

こんにちは、管理人の凛です。

今回は自己愛性パーソナリティ障害をテーマにお話したいと思います。

自己愛性パーソナリティ障害は、本人に重大な苦痛を感じさせる事がある他、周囲の人間とのトラブルの原因となったりします。強い自己否定の考えがあり、褒められる努力をしたり、他者を見下してしまう事があるからです。

自己愛性パーソナリティ障害について、改善しないという情報も見られますが、ありのままの自分を受け入れられれば、問題は無くなります。

鬱病をはじめとする神経症や麻薬中毒の引き金になる事もあるので、心当たりのある方は、出来る限りの対処をした方が良いと思います。

目次

自己愛性パーソナリティ障害とは苦痛や機能障害を伴う人格の事

パーソナリティーは、日本語で言うと人格の事です。

以前は、人格障害とか性格障害と表現されていましたが、偏見的なニュアンスをイメージさせない為、パーソナリティ障害と表現するようになっています。

パーソナリティ障害とは日常生活に支障をきたす個性の事

悩む女性

パーソナリティーは、分かりやすく表現するなら「その人らしさ」です。
ある出来事に対する見方や捉え方、他者との関わり方等における個性、パターンによってパーソナリティーが形成されるといえるでしょう。

世界保健機関では、個人の生活様式、及び他人との関わりにおける状態や行動の特徴をパーソナリティーと定義しています。つまり、パーソナリティ障害とは、ある人の個性、その人らしさに障害がある状態の事です。ただし、当人に著しい苦痛や機能障害がなければ、正常なパーソナリティーであると言われています。

自分が自己愛性パーソナリティ障害かどうかを判断する場合は、前提として「常に心の苦痛を感じている」、「他者との人間関係の構築が上手くいかない」等の問題が生じているかどうかで考えます。
もし日常生活で苦痛を感じているなら、パーソナリティ障害の有無について、正確な診断を専門家にして貰うのが良いと思います。

自己愛性パーソナリティ障害はありのままの自分を愛せない人格の事

自己愛性パーソナリティ障害は、パーソナリティ障害の中でも「ありのままの自分を愛せない」という特徴があります。
その背景に、本来の自分は、もっと偉大な存在で特別扱いをされていなければならない、という思い込みがあるのが特徴です。

一見すると「自尊心が高い人」と同じように思われがちですが、その前提には「自分は他人よりも優れている」という考えがあります。
自分自身でも自尊心が高いと思っている人も少なくありません。しかし非常に脆い自尊心なので、感情の起伏も大きいと言えるでしょう。

自分は人より優れているはずだという信念と脆い自尊心を守る為、問題のある行動をしてしまうのです。

パーソナリティ障害の説明でも「苦痛を伴う」と説明しましたが、本人に苦しんでいる実感が無い事がほとんどです。
「無意識のレベルで苦しんでいるのかもしれない」という気持ちで観察して初めて、心の深い部分で苦しみ悶えているのに気付けるでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害の2つのタイプを解説

話を聞かない

米国の精神科医グレン・ギャバード氏によると、自己愛性パーソナリティ障害は、無関心型と過敏型に分類されるそうです。

無関心型の自己愛性パーソナリティ障害は、常に自分に関心が向いているので、他人の反応に全く気付かず、誰かに攻撃されて自分が傷付いた事にすら鈍感です。
ただし性格は傲慢かつ攻撃的で、自分の話はしても他人の話は聞かないと言う特徴があります。

過敏型の自己愛性パーソナリティ障害の場合は、自分以外の人の言動に非常に過敏に反応します。
他者からの批判にも敏感で、感情の起伏も大きいのが特徴です。性格的には、内気で人に注目される事を避けたがります。

自分に他人の関心が向きそうになると、自分以外の人に注意が向くようにする事もあります。
過敏型の自己愛性パーソナリティ障害は、自己愛性パーソナリティ障害だと分かりづらいのも特徴と言えるでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害の人は自分の為に他人を利用する事をいとわない

自己愛性パーソナル障害の人は、心の深い部分で非常に苦しんでいるので、他人の事を考える余裕はありません。
大人の場合は、いわゆる「愛のない人」であり、自分の為に人を利用する事を何とも思わない人と言えるでしょう。

一見すると、非常に嫌なタイプの人間に見えるかもしれませんが、本人に悪気はありません。何故人を利用してしまうのかも分かっていません。
単純にありのままの自分を愛せず、その考えに苦しんでいるのです。

自己愛性パーソナリティ障害と思われる人がいたら、安易に関わらない方が良いでしょう。
また、その人を「治して上げよう」等と考えると、面倒なトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
このタイプの人は、自分の正体を人に知られる事を非常に嫌いますので、あなたを全力で攻撃してくる事もあるからです。

セオドア・ミロンの自己愛性パーソナリティ障害の特徴による分類

セオドア・ミロンは、パーソナリティ障害の研究で有名な米国の心理学者です。
ここではセオドア・ミロンによる、自己愛性パーソナリティ障害の5つの特徴について見ていきたいと思います。

不誠実で人を騙す事もある反道徳的ナルシスト

支配的

反道徳的ナルシストの特徴は、「搾取的」「不誠実」「人を騙す」等があります。

何故このような事をするかというと、本来の自分は、100点満点の大成功者であるべきであり、自分の周囲に居る人を自分よりも格下の人間だと思い込んでいるからです。

搾取的というのは、人を欺いて自分の利益になるような言動をする事を指します。人を欺く事で「頭の悪い奴だ」と見下して、相手を自分よりも格下の人間である事を確かめたいのです。

また、自分の存在が大きなものであると思いたいがために、良心に欠けた行為をします。他人に対して不誠実になったり騙したりするのは、そのためです。

この他、人を自分の思い通りに支配しようとする反道徳的ナルシストもいます。
無意識に自分の方が圧倒的に価値があると思っているので、人を自分の都合で支配しても何とも思わないのです。

思わせ振りで人を意のままに操る好色的ナルシスト

好色的ナルシストは、性的な誘惑をして、人を思い通りに操るのが得意な自己愛性パーソナリティ障害の人です。

自己愛性パーソナリティ障害の人の考えに「自分は他人よりも優れている」という思い込みがあると説明しました。
好色的ナルシストの場合は、「自分は他の人達よりもモテる!」という思い込みがある状態です。

その為、思わせ振りな事を言ったり、性的に誘惑するような言動を平気で出来るのです。

特徴としては、病的な嘘吐きで、言葉巧みに人を魅了してしまいます。しかし、本当の意味での親密さには興味がありません。

信念にあたる部分で現状の自分を否定しており、「やっぱり自分はモテるんだ!」と思いたいケースもあります。
このタイプの好色的ナルシストは、他人から「素敵ですね!」と褒められる事を目的にして、それだけの為の言動をする特徴があります。

ネガティブな考えの中和に努める代償的ナルシスト

心理的に欠けているものを補う働きの事を「代償」と言います。

代償的ナルシストというのは、ネガティブな考えに苦しんでいる状態を抜け出そうとする際、前提として「自分は特別に優れていて、賞賛されるべきである」という考えに臨場感を持っている人です。

例えて言うなら、学校のテストの答案が30点だった事を許せない生徒が、努力をして100点を目指すのではなく、「本来の自分は100点だ。現実が間違っている!」と思い込もうとしている状態です。

スピリチュアル的には、必ずしも間違っている態度ではありませんが、現状の自分を許さないまま幸せになる事は難しいかもしれません。
ありのままの自分を愛し、その上で理想の自分を思い描く事が出来れば、夢も叶いやすくなるでしょう。

優越感を追求し続けるエリート主義的ナルシスト

弱い人間を好む

エリート主義的ナルシストは、他人と自分を比較して、自分にだけ特別な才能や能力があると信じています。

このタイプの自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、無意識のレベルで自分を凡人だと考えているところにあります。
特別な才能を持っていないといけないのに、現実的には普通の人である自分。その事実を誤魔化そうと、例えば過去の業績や実績などは平気で嘘を付いて水増ししてきます。
誰も確認しようが無い子供の頃の経験については、全てが作り話だったという事も起こり得るでしょう。

また、常に嘘を吐いて生きているので、自分が何の嘘を吐いたかを忘れている事が多くなり、本気で「そんな事を言った覚えは無い」と言ってくる場合もあります。

人間関係では、自分が優位になる関係性を築こうとするので、能力的に劣っている人間や弱い人間を好みます。
異性の好みで、強くて自身のありそうな人が苦手なのも、エリート主義的ナルシストの特徴です。

妄想を抱く事が多い狂信的ナルシスト

狂信的ナルシストは、無意識レベルで自分の無価値感と戦っている人です。
一般的な人と違うのは、無価値感との戦いにおいて、妄想という手段で乗り越えようとしているところです。

分かりやすく例をあげるなら、「価値が無いと思えてツライ」と無意識で感じた際に「私は全知全能の神である」という妄想を抱いて乗り越えようとする、などです。
また、努力を重ねて自力で自尊心を高める努力をしようとする事があるのも、狂信的ナルシストの特徴です。

このタイプの自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人に迷惑をかける言動は、比較的少ないと思います。
ただし、自分が他人から認められていないと感じた際に、壮大な使命がある英雄を演じてしまう事があります。

自己愛性パーソナリティ障害になる主な原因6つ

自己愛性パーソナリティ障害になる原因は、現在でもはっきりとは分かっていません。
現在もアメリカの医学者アーノルド・クーパーらによって、自己愛性パーソナリティ障害の原因となりうる因子の研究が進められています。

ここでは、自己愛性パーソナリティ障害になる原因と考えられている6つについて解説していきます。

先天的に生まれ持った性質

生まれたばかり

自己愛性パーソナリティ障害について、生まれつき、先天的なものが原因という考えがあります。
自己愛性パーソナリティ障害が治らないという考えの人は、先天的な要因があると捉えているケースが少なくないでしょう。

しかし、自己愛性パーソナリティ障害が改善した、寛解したという話もあるので、仮に先天的なものが原因だったとしても問題を乗り越える事は可能です。
生まれつき不健康だった人が、その後、健康を取り戻したという話もあります。絶対に希望をなくさないで下さい。

スピリチュアルの世界では、自分に起きる現実は、自分の信念が原因になっていると考えます。
先天的な要因というと治りにくいイメージがありますが、「生まれ持った考え方の癖」だと捉えて、自分を受け入れるようにしていけば良いのです。

幼少期に受けた過度の称賛と批判の記憶

「三つ子の魂百まで」と言うように、幼少期に受けた過度の称賛や批判は、自己愛性パーソナリティ障害の原因になる事があります。

例えば、一般の人よりもハイハイや歩くのが早い子供に対して「これは素晴らしい!日本を代表するスポーツ選手になるはずだ!」と言う人がいたとします。
話半分程度に聞ければ良いですが、真に受けて「スポーツ万能の自分でなければならない」という思い込みを持ってしまうケースもあるのです。

成長した子供自身が、周囲と同じくらいか、劣っている運動神経でしかないと気付いた時に「今の自分ではダメだ」と劣等感を抱くようになります。

また、幼少期にひどい批判を受けた事で自己否定の考えが強くなり、自己愛性パーソナリティ障害になるケースもあります。
批判を切欠に「今の自分では認めて貰えない」と無意識に考えるようになり、優越感を得る為の行動を始めるのです。

親による過剰な甘やかしの経験

親に愛がなく、過剰な甘やかしをするタイプだった場合も自己愛性パーソナリティ障害になる事があります。
子供が欲しいとねだる物を何でも買い与え、まるで子供の家来のように振る舞う事で、自分自身の存在を勘違いをするのです。

特に中学や高校受験の際等に「この子は受験生だから!」と、親が何でも言う事を聞いてしまうと、人を思い通りに支配出来ると思ってしまうでしょう。

過剰な甘やかしについて愛情だという人もいますが、根本にあるのは、子供に嫌われたくないという恐れです。
無意識で「親に愛されていない」と感じてしまい、何らかの能力を身に付けなければいけないんだ、と思い込んでしまうケースもあるでしょう。

幼少期に受けた心理的虐待

幼児期の記憶

心理的虐待というのは、親が子供に対して暴力的な言葉を使ったり、無視や自尊心を踏みにじるような言動をする事です。
心理的虐待を受けた子供は、大人になるに連れて生きづらさを感じたり、自己愛性パーソナリティ障害になる事があります。幼少期に学校でいじめを受けた記憶がある場合も同様です。

心理的虐待を受けた人は、ありのままの自分を受け入れて貰えなかった、という経験をしています。
自分自身に価値が無いと感じるようになると、優越感を求める努力をするようになります。

その結果、他人に対しても「特別な能力や才能がなければ認めない」という態度で接するようになり、自他ともに厳しい性格の人になってしまうのです。

人並み以上の優れた容姿や能力がある事

生まれつき頭が良かったり、運動能力に優れている、優れた容姿だった場合、自己愛性パーソナリティ障害の原因になる事もあります。
人から褒められる事が多いので、幼少期の過剰な甘やかしと似ている部分もあります。

しかし、生まれつきの優れた能力や容姿で自己愛性パーソナリティ障害となる場合、同時に心に何らかの劣等感やコンプレックスを持っている筈です。素晴らしく容姿端麗な場合でも、運動が苦手だという事もあります。

この際、完璧ではない自分を否定する考えをしてしまうと、自分の優れている点について、他人が非常に劣っていると感じるようになるのです。
そして、優越感を求めて乗り越えようとする程、自己否定の考えも強くなり、苦しむ様になります。

偶然に持ってしまった劣等感の考え

私達人間は、ほんのちょっとした事を切っ掛けに劣等感を持ってしまう生き物です。
人間は、劣等感の考えに苦しむ様になると、人を見下したり、悪口を言うようになります。そして、何かを切欠にして「自分は、他人と比べて著しく素晴らしい人間だ」等と考えるようになるのです。

人間が劣等感を持つ切っ掛けは、数え切れない程沢山あります。
例えば、自分では頑張った積もりのテストの答案を親に見せた際、期待した程喜ばなかっただけで劣等感を持つ事があります。

大人の立場になったら、なるべく子供が劣等感を持たないように配慮する事は大切ですが、万全な態勢で望む事は絶対に不可能です。
つまり、自己愛性パーソナリティ障害の要因となりうるものは、世の中に溢れていると考えて良いと思います。

まとめ

自己愛性パーソナリティ障害は、誰でも成り得る可能性がある心の問題です。
自分の存在や能力について、少し否定的に考える癖がある状態を風邪の状態に例えるなら、自己愛性パーソナリティ障害は、風邪をこじらせて肺炎になったような状態です。

自己愛性パーソナリティ障害と思われる人がいても、ムリに病院に連れて行こうとしたり、考えを直して上げようと思う必要はありません。
偏見の目を向ける事なく、親切な気持ちで心の回復を願ってあげるのが、自己愛性パーソナリティ障害の人との正しい向き合い方だと思います。

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