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【仏教講座】輪廻転生とは?仏教に置ける意味や概念を丁寧に解説

日本の仏像

こんにちは、管理人の凛です。

1990年代、退行催眠という技術により、私たちの人間の脳には過去世からの膨大な記憶がある事が確認されています。つまり、過去世があるという事は分かっているのですが、仏教の話題でよく聞かれる輪廻転生があるかどうかを確認する手段はありません。

そこで今回は、この輪廻転生について意味や概念をご説明していきます。

目次

輪廻転生は魂を向上させるために繰り返し生まれ変わるという思想

輪廻転生とは、何度も繰り返し生まれ変わりをして、その中で様々な事を経験させられているといった思想です。

一般的な仏教の話では、人間は魂を進化向上させるために生まれ変わりをしていると言われています。魂の進化向上とは、悟りを開くという事です。言い方を変えれば、愛に生きるという事を学ぶ為に、私達は生きているという事です。そして、その事を学ぶ為に因果がある、というのが仏教的な世界観となります。

人間は人間として生まれる前に約30万回の輪廻転生を繰り返している

石と花

私達人間は、人間として生まれる前に約30万回の生まれ変わりをしていると言われています。

人間になる前の輪廻転生は、鉱物と植物、動物です。まず、金属や石ころなどの鉱物として私達は約10万回の生まれ変わりをします。その後、植物と動物をそれぞれ約10万回ずつ経験して、ようやく人間として生まれる事が出来るのです。また、人間として生まれる時は、魂が雲に入り、雨の中の水から稲に魂が入り、それを食べた人の子として生まれると言われています。

仏教では、盲亀浮木(もうきふぼく)の譬えにあるように、人として生まれる事が1つの奇跡だという考えがあります。現在、人間として生まれているものの、魂の成長の為の学びをしなければ、来世、再び人間として生まれる事が出来ない事もあるそうです。人として生まれた事に喜びを感じ、より魅力的な人間になる為の努力をしていく必要があります。

人間は悟る為に生まれ変わりをしている

魅力的な人間になる為に、人は輪廻転生を繰り返します。魅力的になるとは、仏教においてという事です。悟りを一言で説明するのは難しいですが、1つの側面に「自由になる」という事があります。

人間が生きる世界は、人間道と仏教では説かれています。

この人間道には、四苦八苦という数々の困難があるだけでなく、煩悩や欲に惑わされ、人は迷いの中を生きていきます。

このように苦しみが多い人間道から解放されるには、悟りを開き解脱をする必要があります。そして、初めて悟りを開いた人こそ、お釈迦様つまりブッダなのです。

輪廻転生における魂の成長とは自己責任で生きる事

魂の成長は悟りであると言っても、なかなか解釈が難しいと思います。「自由になる」という側面について説明しましたので、ここでは、他の側面で悟りについて考えていきます。

輪廻転生で私達は愛に生きる事を学んでいる

私達人間の心には、「愛」と「恐れ」のどちらかしかないという話があります。例えば、生命保険に加入するという行為は、病気や老後、お金の問題などの何かに「恐れ」を抱いている心があっての行動です。老後の為に預金をするのも「恐れ」です。

逆に、将来に何か大変な事があるかもしれないけど、「私は大丈夫!何とかなる!」と思っている人は、自尊心やエフィカシーが高く、愛に生きている事になります。

また、食べ物の好き嫌いと同じように、人に対する「嫌い」という感情も何かに恐れている事が原因です。昔は自分が属している集落の人以外は信じないという事がありましたが、時代が進むにつれて、「藩」「国」へと信じられる範囲が広がっていきます。やがては「地球に住む全ての人を信じられる」という所に向かっているのでしょう。

全ての事において時代は悟りに向かっている

お釈迦様

今から2,600年ほど前に、お釈迦様は、菩提樹の下で「縁起である」と悟りを開きました。縁起を言葉で説明すると、「全ての存在は関係性である」という事です。

例えば、あなたが「私」という時に、どこまでの関係性について「私」だと思っているか考えてみて下さい。「私と私の身体」までを自分だと思っているのか、それとも、洋服まで含めて「私」だと思っているのか。このように考えると、私というものに実体がない事に気が付きます。

自分を説明する時も、「私が所属している会社」「私の身長」「私の好きな音楽」など、自分以外の何かとの関係性でしか説明する事ができません。このようにアプリオリな存在、絶対的な存在を徹底的に否定したのがお釈迦様であり、それを縁起という言葉で説明しています。

悩みや不安なども実体がありません。まずは、その事に気付く事が、愛に生きるスタートラインに立つ事です。

輪廻転生における因果の役割は魂の成長の為にある

仏教における因果は、原因と結果の事です。分かり易く言うなら、目の前に起きる全ての事象は、自分の心に原因があるという事です。

例えば、ある人に「人の財産を奪い取っても構わない」という考えを持っていたとします。すると、その人は自分と同じ考えの人を引き寄せてしまい、「人から財産を奪われる」という経験をする事があります。

自分と同じ考えの人を引き寄せるのは、「類は友を呼ぶ」という言葉で説明され、引き寄せの法則などと言われる事もあります。「人から財産を奪われる」という経験は、その人にとって辛い事だと思いますが、人はそうした事を通して魂を成長させています。勿論、たった一度の人生だけでは学びきれないので、輪廻転生をして少しずつ学んでいるのです。

輪廻転生における因果について、怖いと感じてしまうかもしれませんが、恐れる必要はありません。なぜなら、私達には、乗り越えられない程の大きな試練は、絶対に起きないからです。私達の身に起きる波乱万丈な出来事は、必ず乗り越えられるものです。

輪廻転生では過去の責任を放棄する事は出来ない

刃傷

輪廻転生における因果からは、逃げる事はできません。例えば、恋人と別れる際、何故かいつも彼女から「別れるなら刺す!」と包丁を向けられる男性がいたとします。この問題が因果だとしたら、男性は、過去世で同じような事をした、という記憶がある人です。

つまり、恋人と別れる時に「包丁を向けて脅しても良い」という記憶が現象を招いているので、何度も同じような事が起きているという事です。男性は、「包丁を人には絶対に向けない」と考えを変えない限りは、エンドレスで同じ問題が起きるという事です。

因果の解消にするためには、自分に起きる全ての問題を自分の責任だと思う事が大切です。「相手が悪い」と言っても問題が解決しないのは、スピリチュアルの世界でも同じ事です。

自己責任の姿勢が輪廻転生を生きる私達に必要な事

輪廻転生で上手に因果の刈り取りをしていく為には、自分の人生について自己責任だという認識が必要です。何か問題が生じた時に「あの人が悪い」「この人が悪い」と言っていても、絶対に問題は解決しませんし、何の学びにもなりません。

たまに、もの凄く頑固で「絶対に学んでたまるか!」という感じの人がいますが、学ばないという姿勢は、それだけで罪を犯している事になります。

私達は、毎日食事をして生きていますが、水と塩以外は、ほぼ全て自分以外の命を頂いています。とくにお米を作る時は、田んぼに水を張って苗を植えますので、蟻やミミズなどの小さな命が大量に犠牲になっています。

私達は、他の命の犠牲の上に生きていますので、しっかりと魂を成長させて魅力的な人間になっていかないといけません。

輪廻転生を考える上であの世の存在を考える事が重要

輪廻転生をする場合、

  • 天道
  • 人間道
  • 畜生道
  • 阿修羅道
  • 餓鬼道
  • 地獄道

という6つのいずれかに生まれ落ちます。

そして、この輪廻転生のサイクルの外に所謂「あの世」が存在しているのです。

つまり輪廻転生について知るという事は、同時にあの世についても知るという事と言えます。

あの世の存在を意識する事でより魅力的な人生を送れる

あの世の存在を意識する事で、人生をより魅力的に生きる事ができます。人を恨んだり、愚痴や泣き言を言ったりせず、いつも明るく親切に生きようとする筈です。

また、魂を進化向上させる為に輪廻転生があるとしたら、あの世があるという考え方は、合理的な考え方だと言えます。

死んだら全員地獄に行くという話は本当かも知れない

地獄の人形

お釈迦様は、「涅槃に至る道は険しい」と言い、キリストも「天国に行くのは、駱駝が針の穴を通る位に難しい事」と言っています。このように、人が死んだらほとんどの人が地獄に行くという話がありますが、本当かも知れません。

このように話すと怖くなってしまいますが、私達は、何度も生まれ変わりをしているなら、既に何度も地獄を経験しているとも考えられます。つまり、地獄があったとしても耐えられない程ではない可能性が高いという事です。地球についても、辛い生き方をしてしまった人からすると、次に生まれるのが怖いと感じてしまうのと同じ事です。

地獄に行く可能性が高いなら、もっと頑張って魅力というものを身に付けていきましょう。

地獄は思っている以上に苦しい所の本当の意味は心の状態にある

地獄について、思っている以上に苦しい所と説明されている事がありますが、心の状態にあるのではないかと思います。

例えば、私達は、瞑想をした時にネガティブなセルフトークがある事に気が付く事があります。セルフトークがネガティブだったと気付く事は、思っている以上に心の状態が良くなかった事を意味しています。つまり、私達人間は、心の辛さを感じにくい生き物なのかもしれません。

死後の世界があり、地獄があるとすると、本来の心の状態に合った所に引き寄せられるか、あるいは、夢を見るかのように自分で地獄を作りだしているかのどちらかだと思います。地獄が思っているよりも苦しいというのは、私達が今、思っているよりも苦しんで生きているという事が分かるだけの事だと思います。

地獄から救い出されるには徳を積む事が必要

優しさ

輪廻転生で地獄に行く可能性がある事は分かりますが、行ったらもうお終いというものではありません。仏教では、六地蔵という話で地獄から救い出される事がある事を教えています。

地獄から六地蔵によって救い出される為には、徳を積む必要があります。徳を積むというのは、仏教では慈悲という言葉で表現していますが、抜苦与楽の事です。人の心から苦しみを取り除き、楽しみを与える活動が徳を積むという事になります。

徳を積む事は、私達にとっては、より魅力的な人間になる事でもあります。地獄に相応しくない魅力ある人間になれば、仮に地獄に行く事があったとしても必ず救い出してもらえます。そのためにも、毎日人に親切にしたり、愛のある言葉で人に語りかけるようにしましょう。

あの世に行く事が出来ない魂は浮遊霊になる

人は、死んだら必ずあの世に行くとは限りません。あの世に行く為には、行く方法を知っている必要があります。行く方法を知らなければ、地球上を彷徨っている浮遊霊になってしまいます。

あの世に行く方法は、ぐるりと周囲を見渡して明るく強く光っている所を見つけ、そこに向かって行く事をイメージするだけです。

また、夜寝ている時に死んでしまうと、金縛りになった状態に感じ、そのまま自縛霊になる事もあるそうです。そうなったら、起き上がったり宙に浮いたりする事をイメージして、それから光に向かえばあの世に行けるそうです。

人間の脳には過去世からの膨大な記憶がある事が判明している

記憶

輪廻転生では過去世が犯した罪やカルマを背負って生まれ変わりますが、最近では、私達人間の脳には、過去世からの膨大な記憶が情報として書き込まれている事が分かっています。例えば、小さな子供の中に「水が怖い」という事がありますが、実は、前世で水に溺れて死んだ記憶があった、という事があります。

私達、一人一人に個性があるのは、過去世からの膨大な記憶に違いがあるだけの事です。そして、膨大な記憶の中には、間違えた情報も含まれていて、それが現象となって現れたりします。例えば、頭にきた時に「人を殴っても良い」という考えがある人は、人を殴っても良いという考えの人を引き寄せて、暴力はいけないという事を学ばさせられます。引き寄せは本来、私達の魂を成長させる為に存在しているという事です。

人間の脳は3層構造でできている

私達人間の脳は、「爬虫類脳」「哺乳類脳」「人間脳」の3層構造でできていると言わています。脳の1番奥深い部分に爬虫類のがあり、それを囲むように哺乳類脳があり、さらに、哺乳類脳を囲むように人間脳があります。

爬虫類脳は、生命を維持する為の本能に関わっているという特徴があります。身の安全を守る意識に関する事や体温調整、性行動などを司どっています。これに対して、哺乳類脳は、恐怖や怒り、喜びや愛情といった感情を司る場所です。何かを見て衝動的に嫌悪感を抱いたりするのは、この哺乳類脳が働いている事が原因だったりします。

人間脳は、論理的な事や未来を想像したりする事を得意とする場所です。目的意識をもって行動をしたり、記憶や言語を操れるのは、人間脳の働きによります。

これらの人間の脳の構造を見ても、私達に生まれ変わりがあるのではないか、という事が推測出来ると思います。

まとめ

輪廻転生や因果は、怖いものでも何でもありません。むしろ、私達がより魅力ある魂に成長する為に用意して頂いたものと捉えられます。人間は、生きていれば必ず波乱万丈があります。病気やお金の問題、人間関係のトラブルが波乱万丈の3つのテーマです。もし、これからの人生で何か大きな問題が起きた時は、「魂を成長させるにはどうすれば良いか?」という視点で考えるようにして下さい。このような時にも功徳を積むような選択をすれば、きっと魂が成長します。

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