【正しい数珠(念珠)の作り方】テグスを使って簡単に出来る方法!
こんにちは、管理人の凛です。
数珠(念珠)は、法事や葬式には欠かせない仏具です。
持ち主の煩悩や思いが込められた数珠は、他人が持つとその人の煩悩や思いが入り込むと言われています。貸し借りはせずに、自分だけの数珠を所持しましょう。
こちらではテグスを使って簡単に出来る「略式数珠」の作り方をご紹介します。
略式数珠の場合、玉の数や大きさは自由
数珠は、「念珠」や「寿珠」とも言われており、仏・菩薩様を拝む際に使用する道具です。法事や葬儀などに出席する時にも欠かせないアイテムですよね。
正式の数珠は、玉の数が108個あり、宗派ごとに異なるという特徴があります。これを「百八数珠(正式念珠)」と言います。人間には108の煩悩があると言われており、玉一つひとつが煩悩を引き受けてくれるそうです。
一方、宗派に限らず使用できるものを「略式念珠」といいます。(ただし、基本的に日蓮宗は使用できません。)
百八数珠を基準とした「1/2の54個」「1/3の36個」「1/4の27個」「1/6の18個」などの玉数が代表的であり、いずれも108個より少なくなっています。近年では実用面が重視されているため、個人の使用しやすい大きさ、形状によってさまざまな玉数の略式数珠が作られています。
略式念珠の6つの構成
略式念珠は、「親珠」「主珠」「二天珠」「ボサ珠」「房」「中通し紐」で構成されています。
- 親珠(おやだま)
数珠の中心にあり、最も大きい玉です。「阿弥陀仏如来」や「釈迦如来」を表しています。 - 主珠(おもだま)
百八数珠では108個の玉で構成されています。人間の煩悩を表しています。 - 二天珠(にてんだま)
主珠の間に、左右1つずつある2つの小さな玉です。「四天王」と「四菩薩」を意味しています。百八数珠には4つの二天珠があります。 - ボサ珠(ぼさだま)
親珠と房を連結する珠です。 - 房(ふさ)
数珠の房は大きく4つ、「頭付き房」「紐房」「梵天房」「切り房」に分けられます。 - 中通し紐(なかとおしひも)
それぞれの珠を繋ぐ紐です。「観音菩薩」を表しています。
数珠に用いられる5つの素材
数珠玉の素材は、大きく5種類に分けられます。
- 木の実
星月菩提樹や金剛菩提樹、龍眼菩提樹、鳳眼菩提樹など。菩提樹で作られた数珠は、「無量の福、最勝の益を得る」と言われています。中でも星月菩提樹は、数珠作りに代表的な木の実です。 - 天然石
水晶や翡翠、オニキス、メノウなど。中でも水晶は仏教における七宝のひとつであり、水晶の数珠は「千億倍の福」とも言われています。 - 香木
沈香、白檀、伽羅など。数珠で使用する素材の中でも高級です。 - 木
桃や桜、梅、黒檀など。木によって木目が異なるので、様々な表情が感じられます。 - その他
象牙や琥珀、硝子、珊瑚など。中でも珊瑚は、「千倍の福」がやって来ると言われています。
テグスを使用した略式数珠の作り方
こちらでは、略式数珠の作り方をご紹介します。
テグスを用いると数珠玉に中糸(中通し紐)が通りやすくなりますよ。
使用する材料
材料 | 数量 |
---|---|
親珠 | 1玉 |
二天珠 | 2玉 |
ボサ珠 | 1玉 |
主珠 | 使用する珠によりサイズや個数が異なります |
房 | 軸糸が付いた物1組 |
針 | 1本 |
中糸(中通し紐) | 適量 |
テグス | 適量 |
はさみ | 1本 |
木工用ボンドまたはノリ | 1個 |
寸法・サイズ
数珠は、男性用と女性用があります。混同して使用する事はありません。
男性 | 女性 |
---|---|
9寸5分(約28,5cm) | 8寸5分(約25,5cm) |
略式念珠の寸法は、数珠を伸ばして広げた状態で、親玉から向こう側の長さを指します。大体手の平を一周できる長さになるでしょう。
主珠の大きさは、一般的に男性用は大きめな12mm玉、女性は小さめな7〜8mm玉が使用されます。
事前準備
数珠作りがスムーズに行えるように、事前準備はしっかりと取り組みましょう。
1.主珠を3つに分けます。基本的に玉の数、分け方に決まりはありませんが、以下の数を参考にするとバランスが取れるでしょう。
女性 | |
---|---|
33玉 | 7・19・7玉 |
37玉 | 8・21・8玉 |
44玉 | 9・26・9玉 |
男性 | |
---|---|
18玉 | 10・4・4玉 |
20玉 | 12・4・4玉 |
22玉 | 12・5・5玉 |
27玉 | 15・6・6玉 |
玉数は玉のサイズ、手の大きさにより調整して下さい。
2.中糸(中通し紐)を用意します。それぞれの玉に中糸が通しやすいように、中糸の先を5mmほど針で2つに解きましょう。2つに解いた内の1本を、2本の分かれ目から切ります。残った1本は、木工用ボンドまたはノリを先端に付け、とがらせて乾かします。
作り方
- テグスを2本取りにし、ボサ珠→親珠(Tホール下)の順に右穴へ糸を通します。ボサ珠下に出来た、テグス輪に中糸を手の寸法ほど通しましょう。
- 親珠から出たテグスを引っ張ります。
- それぞれの玉をテグス→中糸に通します。主珠8個→二天珠1個→主珠21個→二天珠1個→主珠8個→親珠(Tホール左)→ボサ珠の順です。テグスを親珠に入れる際は、横から入れながら下の穴に向かって通すと、スムーズに通りやすいです。
- テグスを抜き、数珠玉との間に緩みが無いよう、しっかりと締めましょう。
- 「つゆ結び」を3〜5回行います。
- 房の中に、ボサ珠から出た中糸を通し、固結びを数回します。余分な中糸は切りましょう。
- 片方も6と同様に、房を付けます。
材料や作り方のポイント
使用する数珠玉や房、中糸は、卸問屋や通販などで調達できます。
略式数珠の場合、数珠玉や房の素材に決まりはありませんので、気に入った素材を選択できます。素材によって以下のような特徴がありますのでご紹介します。
- 木の素材:使い込む程に色が変化し、手に馴染んできます。
- 天然石の素材:石に意味を持っているため、お守りとして所持する人もいます。
- その他の素材:中には皮脂や日光に弱い性質を持つ物もあります。
色も基本的に自由で、淡いピンク色の「ローズクォーツ」や美しい緑色の「アベンチュリン」などの明るい色調でも可能です。ただし、地域によっては白色が良いとされる場合もありますので、事前に風習等を確認しておくと良いでしょう。
中糸も基本的には自由です。中糸を結ぶ際、力を入れすぎて数珠玉が飛び散らないように注意しましょう。
まとめ
数珠は、他人に貸し借りしてはいけません。その理由は、数珠に持ち主の思いや煩悩が込められており、他人が所持すると不都合になるからです。
略式数珠はご自身で作れます。数珠玉に中糸が通りやすいように、糸の先端を解き、木工用ボンドやノリなどで固め、乾かしてから行いましょう。
使用する数珠玉にはそれぞれ意味がありますので、好みや性格などに合わせて選び、是非お気に入りの数珠を作ってみて下さいね。