【ストレスコーピングとは?】5分で分かる意味や効果と理論を解説!
こんにちは、管理人の凛です。
今回はストレスコーピングの意味や効果をテーマにお話ししたいと思います。
現代人は管理社会や競争社会、高齢化社会等様々な問題を抱える社会において、ストレスを抱えながら生活しています。
適度なストレスは良い刺激となりますが、慢性的に強いストレスを受け続けると心身ともに疲労してしまい、体や心の病にかかってしまう人も少なくありません。
そんなストレス社会で健康的に生きていく為の方法がストレスコーピングです。潜在意識を書き換える事も立派なストレスコーピングになり得ます。
今回はそんなストレスコーピングについて、その意味や効果を説明したいと思います。
ストレスコーピングの意味はストレスの基に上手く対処する方法の事
ストレスコーピングとは、心身の健康を保つ為にストレスの基(ストレッサー)に上手く対処しようとする行為の事です。
そもそもストレス反応とは心身に生じる変化を指しますが、ストレッサーがそのままストレス反応に直結するわけではありません。
ストレッサーはあくまでストレス反応を生み出すきっかけとなる出来事で、それに対する評価(受け止め方)や対処の仕方(コーピング)を経てストレス反応が発生する3段階構造になっています。
つまりストレッサーが生じた段階で適切な受け止め方やストレスコーピングを行えば、ストレス反応を軽減出来るのです。
私たち人間は経験から自然とストレスコーピングを学習し、その技術を高めていくのが一般的ですが、より積極的に学びスキルを向上していく事も可能です。
ストレス耐性が身につく!ストレスコーピングの効果
ストレスは万病の元と言われており、一定以上蓄積すると頭痛や胃痛、イライラ等の症状が出始めます。ネガティブな感情は潜在意識にもネガティブな波動を与え、悪い出来事を引き寄せてしまいます。
その状態をさらに放置すると、うつ病や神経症、自律神経失調症、円形脱毛症、胃潰瘍といった重い疾患にかかるリスクが高くなり、日常生活に支障を来してしまうのです。
ストレスコーピングを行うとストレス反応が軽減し、こうした疾患にかかるリスクを抑えられます。
ストレスコーピングの訓練をしているとストレス反応を抑制出来るようになる事は、ストレスコーピング実験によっても立証されています。
ストレスに対する抵抗力をつけておけば、強いストレスを受けた時も適切に対処出来るようになるでしょう。
ストレスコーピングの種類はストレス発生の過程に合わせて3つに分かれる
それでは、どのような事がストレスコーピングとなり得るのでしょうか。
実は、ストレスコーピングはストレス反応が発生するまでの全ての過程において存在します。ここではストレスコーピングの種類とその特徴を紹介します。
ストレッサーへのコーピング
ストレスのきっかけとなる出来事の原因や、刺激そのものを取り除いたり軽減したりする方法の事です。
別名「問題焦点型コーピング」とも言い、ストレスの原因を根本から解決してストレス反応の除去を目指します。
潜在意識に働きかけて自分の理想を引き寄せる事もこれに含まれます。
評価へのコーピング
ストレッサーに対する自分の評価(受け止め方)を変える事で、ストレッサーをストレス反応に変えないよう食い止める方法です。
別名「情動焦点型コーピング」とも言い、ストレッサーによって生じた感情をコントロールする事によって、激情や苦しい気持ちを抑え、ストレスを緩和します。
潜在意識を書き換えて物事の受け止め方を変える事もこれに含まれます。
反応へのコーピング
実際に反応したストレスを鎮静化する方法です。
気分転換を図ってストレスを発散する「気晴らし型コーピング」と、心をリラックスさせる事によってストレスを消化する「リラクセーション型コーピング」の2種類があります。
以上3つのストレスコーピングを紹介しましたが、ここからはそれぞれの具体的な実践方法について紹介していきましょう。
ストレッサーへのコーピングは克服・働きかけ・回避の3通りある
ストレスの発生源を直接取り除くストレッサーへのコーピングは、さらに細かく分けると3つの要素で構築されています。
自分の努力でカバーする自力克服
ストレッサーに対し、自分で出来る範囲で対処する方法です。
例えば暑さや寒さを感じている時はエアコンや暖房をつける、仕事のミスをして上司に怒られたら努力して汚名返上する等、自らの行動によってストレスを軽減する事がこれに該当します。
また、潜在意識の書き換えを行い、引き寄せの法則で望みや願いを叶えるのも自力克服の1つと言えるでしょう。
ストレッサーが自分の努力次第で解決出来る問題だった場合に有効な方法です。
ストレッサーの原因になっている相手に働きかける
自分以外の他人がストレッサーに関わっている場合、相手に働きかける事によってストレスの基を解消しようとする方法です。
例えば学校でいじめてくる相手に対して「いじめるのはやめて欲しい」と伝える事等がこれに該当します。
他人の介入によってストレッサーが発生している場合に有効です。
必要に応じて逃げる事も大切
自力克服や相手への働きかけで問題が解決すれば良いですが、到底達成出来ないような無理難題をふっかけられたり、相手が働きかけに応じなかったりする時は、ストレッサー自身から逃げる事も大切です。
例えば不当な長時間労働を強いられる場合は転職を考えてもいいですし、いじめをしてくる相手となるべく接触しないようにするといった回避行動を行います。
可能であればストレッサーを除去・軽減するのが望ましいですが、人間の能力には限界がありますので、無理だと判断した場合は回避あるいは逃避行動を取るのも1つの方法です。
評価へのコーピングは考え方を変えるのがポイント
ストレス反応の大きさは、ストレッサーをどう受け止め、評価するかによって大きく左右されます。
例えば仕事で大きなミスをしてしまい、上司から叱責されたとしましょう。
この後、「自分はだめな人間だ」とひたすら落ち込んで自己嫌悪に陥るか、あるいは「次はミスをしないように頑張ろう」と前向きにとらえ、次に活かせる対応策を考えるかは人によって異なります。
この場合、後者の方がストレス反応を軽減してくれるので、後に引きずりにくい方法と言えます。
これを認知的再評価型コーピングと言い、ストレッサーに対してポジティブな評価を下す事でネガティブなストレスを軽減出来るようになります。
具体的には、非合理的な考えではなく、問題を合理的にとらえて現実的な解決策を導き出すのが手っ取り早く、かつ有用な方法です。
ネガティブ思考の人は潜在意識を書き換えると効果的
元々ネガティブ思考の人はなかなか切り替えが難しいので、認知基準のもとになっている潜在意識をポジティブな物に書き換える訓練を行っておいた方が良いでしょう。
例えば「自分はだめな人間だ」と思いやすい性格なら、なりたい自分を思い描いて「私は○○になる」と言う願いを紙に10~15回ほど書き込みましょう。
これを繰り返していると「自分はだめな人間だ」という潜在意識が自分の理想の人間像に書き換えられ、何事にもポジティブ思想でいられるようになります。
気晴らしやリラクセーションでストレスを除去する反応へのコーピング
既に表面化した、またはまもなく現れそうなストレス反応に対して行うストレスコーピングは、気晴らし型とリラクセーション型の2種類に分かれます。
気分転換を図ってストレスを解消する気晴らし型コーピング
気晴らし型コーピングは、名前の通り、自分の好きな事を行って気分転換をし、ストレスを解消する方法の事です。
例えば買い物が好きならショッピングに行く、美味しい物を食べるのが好きならお気に入りの店に外食に行く、歌う事が好きならカラオケに行く等。
気晴らし型コーピングはストレスコーピングという言葉を知らない人でも日常生活の中でよく使っている方法でしょう。
自分の好きな事がはっきりしている人には効果てきめんで、最も手っ取り早いストレスコーピングの1つと言えます。
リラクセーション型コーピングを行うとストレス耐性がアップする
強いストレスを受けると、人の感情は高ぶり、同時に体も強く緊張します。
その状態が長く続くと感情が高ぶったままになってささいな事にもイライラしたり、体にも疲労がたまりやすくなったりします。
リラクセーション型コーピングはストレスによって強ばった心と体の緊張をほぐし、平穏を取り戻す事を目的としています。
ストレス反応が起こった時の対処法として有効なのはもちろんですが、ストレスを感じない時でもリラクセーション型コーピングを習慣化する事によって、ストレス耐性をアップする効果が期待出来ます。
具体的な方法としてはヨガや就寝前のストレッチ等がありますが、中でもマインドフルネスと呼ばれる瞑想はストレス耐性を高め、うつや神経症の予防にも役立つ方法として大手企業にも採用されています。
マインドフルネスを行うと自分の奥深くに眠っている潜在意識とアクセスしやすくもなる為、ストレスに対して「自分は大丈夫」という意識を植え付けるのにも役立つでしょう。
自分自身を知る事が大切!ストレスコーピングを実践する際の注意点
ストレスコーピングはストレスの基に働きかけたり、日頃のストレスを軽減したりするのに効果的な方法ですが、実際に日常生活で実践する場合、留意しておきたいポイントがいくつかあります。
ここからはストレスコーピングを実践するうえで注意したいポイントを4つにまとめました。
自分自身を分析し、よく知る事が大切
ストレスコーピングを実施する際、最も重要なのは自分自身についてよく知る事です。
ストレスに対する感じ方や受け止め方には個人差があります。
例えば数学が苦手な人と得意な人では、数学のテストを受ける時に発生するストレスの度合いが大きく異なります。
ストレスの発生段階は大きく3つに分かれていると説明しましたが、最も理想なのはストレッサーが起こった時点でストレスコーピングを行い、ストレス反応を最小限に抑える事です。
それには自分がどんな事にストレスを感じやすいのか、あらかじめ見極めておく必要があります。
先ほどの例で言うと、数学のテストで強いストレスを受ける事がわかっているのなら、事前にしっかりテスト対策を行って自信をつけておけばテスト本番を迎えても焦ったりイライラしたりしないで済みます。
まずは自分がストレスを受けた時、何に対してストレスを感じたのか、その原因は何であるのかを冷静に分析し、ノート等に書き留めておきましょう。
すると自分のストレス傾向が明確化され、いざストレッサーが発生した時でも迅速に対処出来るようになります。
併せて、どんな事をすると気分が晴れるか、どういう環境下にいると心が落ち着くか等、自分の趣味嗜好についても把握しておくとストレスコーピングをスムーズに進められます。
事前にストレスコーピングのトレーニングを実施しておく
ストレスコーピングの中には、気晴らし型のように日常的に実践している物がある一方、これまで実践した事のない物も含まれています。
例えば評価に対するストレスコーピングはストレッサーに対する見方を変えるのが重要なポイントですが、ネガティブな意識をいきなりポジティブに転換するのは簡単な事ではありません。
その為、日頃からネガティブ思考を封印し、ポジティブな考えに置き換えられるようトレーニングを行っておく必要があります。
具体的には、ストレスの中にも楽しい事、嬉しい事を見つけるように意識していると、「この出来事(ストレッサー)が起こると私はストレスを受ける」という潜在意識が払拭され、「この出来事が起こると私は楽しい、嬉しい」といったポジティブな意識に切り替わります。
ストレス対策したいという意識を明確に持つ
ストレスコーピングはただ何となく実践する物ではなく、ストレッサーを分析し、原因や問題を明確にして適切に対処するという綿密なプロセスのもとに行われる物です。
様々な過程をスルーしていきなり実践しようと思ってもストレスを克服しきれなかったり、場合によっては問題がさらに悪化したりする事もあります。
ストレスを受けている時はイライラしたり、むしゃくしゃしたりして落ち着いた行動を取るのが難しくなりますが、まずはストレスに真正面から向き合い、何とか対策したいと自覚する事から始めるのが大切です。
はっきりとした自覚のもと、ストレスを分析して適切に処理すれば、ストレスコーピングの技術が上がって次回同じような問題に直面した時は瞬時に対処出来るようになるでしょう。
自分1人での対処が難しい場合は身近な人やプロの助けを借りる
自分のストレスを他人に話すのは恥ずかしい…と抵抗を感じる方も多いですが、既にストレッサーが発生している状態ではちょっとした事で心身のバランスが乱れやすく、正しい判断や分析を行えないおそれがあります。
また、自分で自分の事をよく知っているつもりでも、端から見たら全く見当違いの方向に向かっている事もあるかもしれません。
そんな時は、ストレスを抱えている自分を客観視してくれる第三者の存在が非常に重要です。最も一般的な方法は身近にいる家族や友人に助けを求める事です。改まった相談という形でもいいですし、単純に話し相手になってもらうだけでもストレス対策に役立つでしょう。
ストレス症状が深刻な場合や、身近に相談出来る相手がいない場合はカウンセリングにかかる等プロの力を借りるのもオススメです。プロの目から見てストレスの問題や原因はどこにあるのか冷静に分析してもらえば、解決の糸口が見つかりやすくなるでしょう。
まとめ
ストレスの感じ方や受け止め方は人によって大きく異なります。
まずは自分がどんな事でストレスを感じるのか把握し、どのようなストレスコーピングを行うのが有効なのか分析しておきましょう。潜在意識に働きかける事は、ストレスに対する感じ方や受け止め方を変えられるだけでなく、願った通りの事が叶う引き寄せの法則にも繋がるので一石二鳥です。
ストレスと上手く付き合えるようになれば、心身の健康を維持出来るのはもちろん、仕事やプライベートも順調に進むようになり、人生をより良い方向に導けるはずですよ。